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【10話】モラハラ夫、夢を語る

小説版

モラハラ小説

皆さんは夢をお持ちでしょうか。夢を持つことは素晴らしいことだと思います。

夢に向かって様々な努力をして、夢を叶えようとすること、本当に素晴らしいことです。

私のモラハラ夫にも夢がありました。モラハラ夫が私に語る夢は、それはそれは壮大でした。

私がモラハラ夫と出会い、婚姻した当初のモラハラ夫の夢は、 “美容室を開くこと”でした。

ちなみにモラハラ夫は美容師ではありません。美容師免許も持っていません。

しかしながら、そこは口が達者なモラハラ夫です。

私に対して、美容室を開くという夢を語るときの饒舌ぶりは見事なものでした。

「美容室は必要不可欠産業なんだよ。髪を切らない人間はいないよね。美容室は絶対に儲かるビジネスだから、俺は美容室を開きたいんだ。既に店の構想も出来上がっているよ。あとで店舗の設計図を見せてあげるよ。あと、美容室を開くには管理美容師の免許が必要なんだけど、俺は美容師免許を持っていないから、そこは知り合いにお願いしようと考えているんだ。その知り合いも目星が付いている」

単純な私はすっかりモラハラ夫の夢を信じ、モラハラ夫は夢に向かって突き進む素晴らしい男性だと思い込んでしまいました。

けれど、いつまで経ってもモラハラ夫が美容室を開くことはなく、当てにしているという管理美容師の免許を持つ人の話もどこへやら、作成した店舗の設計図はあるものの、それはただモラハラ夫が趣味のパソコンで作っただけのただの紙きれになってしまいました。

次の夢は、とあるネットビジネスで数億円を稼ぐことでした。

これが、これまでも何度かこの場でお話ししているモラハラ夫の在宅での仕事でした。

モラハラ夫は私に対して、このネットビジネスで稼いだ人たちのネット記事、テレビの特集を何度も何度も見せてくれました。

「成功したらものすごく大きな財産が築ける。俺のこのビジネスへの考え方は、ここで紹介されている成功者と何ら変わらないんだ。必ず俺も数億円稼ぐようになる」

これらの言葉に加えて、モラハラ夫はビジネスが成功したら、手に入れたいものや行きたいところの夢物語を語り始めました。

「儲けたら欲しい車があるんだ。ほら、これだよ」

そう言って見せてくれた車のネット画像が、ドイツの某自動車メーカーのSUV車と某国産自動車メーカーのワンボックス車でした。

「この2台があれば他の車は要らないよね。俺はその辺の成金と違うからそんなに何台も車を欲しがったりしないんだ」

だそうです。

「儲けたら○○(私)をここに旅行に連れて行きたいんだよ」

そう言って見せてくれた旅行先のネット画像が、アメリカの超有名アニメーション企業の子会社が主催する海外クルーズ旅行のものでした。

「国内で旅行に行くよりも、儲けてこういう壮大な旅行に行くべきなんだよ。生”○ッ○ー”(某有名キャラクター)に会えるんだよ」

だそうです。

今になって振り返ると、このモラハラ夫の常日頃の行動ではまるで実現できない夢ばかりです。

けれど、私はまたしても騙されてしまいました。

それにしても、自分の性格とはいえ、ここまで単純すぎるところは今更ながら反省すべき点です。

モラハラ夫の話を信じ込み、私はそれを支えることが何よりの自分の役割だと考え、モラハラ夫がネットビジネスを始めるときの資金のすべてを私が援助しました。

その後も、モラハラ夫のネットビジネスがなかなか軌道に乗らないため、夫婦の生活資金はほぼ私が負担していました。

モラハラ夫は、自分の仕事がうまくいかないときは必ずと言っていいほど、うまくいかない理由を私のせいにしていました。

「お前が自分の会社のストレスを俺に持ち込むから、俺はそれが気になって自分の仕事に集中できない。」

こんなふうに言われることが日常茶飯事でした。

「俺はお前みたいなただの会社員の話を聞くことで、数億円のチャンスを逃している。俺が仕事に集中できれば、お前の生活も楽になるのに、良い車にだって乗れて、海外旅行だって沢山行けるのに、俺の仕事を邪魔するなんてお前は愚か者だ」

これらの言葉は特に夫婦生活の終盤に頻繁に浴びせられました。

その頃の私はというと、すっかりモラハラ夫に洗脳されているので、モラハラ夫の夢を潰す自分はダメ女だと心の底から思い込んでいました。

ちなみに一般的にも、モラハラ夫は自分が上手くいかないと何でも人のせいにします。

「俺が儲けるのを邪魔するお前が悪い、そう言ってすべての責任を妻のせいにしてしまうのです。

そして、皆さんお分かりのように、モラハラ夫が私に宣言した夢は、私との婚姻期間中に叶ったものは一つもありませんでした。

清武 茶々

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