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【第27話】水浸しにされた教科書

小説版

前々回、私がモラハラ夫に隠れて買い物をしていたエピソードをご紹介しました。

私がモラハラ夫に隠れてしていた買い物が露呈して以降、私たちの夫婦関係は音を立てて崩れ始めていきました。

少しおさらいをさせていただくと、私は会社の転勤で、ある地方都市の店舗の店長をしていました。

この期間が約2年半です。この転勤期間が終了して半年後に私たち夫婦は離婚しました。

元々の夫婦関係も、これまでのエピソードでご紹介しているとおり、モラハラ夫から私への連日のモラハラのため、決して良好なものではありませんでした。

それが、私の隠れた買い物によって、加速度を増して崩れていきました。

私は、モラハラ夫からのモラハラを避けるために、咄嗟の言い訳で、自分の買い物は店舗の予算達成のため、売上の補填のためにしたと主張したのです。

その苦し紛れな言い訳のため、モラハラ夫は私の会社を責めるようになりました。そして、モラハラ夫は、私に今の職場を退職するようにと促すようになり、やがて、私は本格的に転職活動をし始めたのです。

モラハラ夫の考えた転職の道筋は、とある就職試験を受けることでした。

なぜこの試験をモラハラ夫が提案したのかと言いますと、私は当時、自分と同年代の女性と比較すると、少々高い収入がありました。この就職試験を受けて、晴れて合格して入社すると、初年度の収入がほぼ当時の収入と変わらなかったためです。

しかしながら、この試験を受けて合格する人の比率はほんのわずかでした。多岐に渡る科目が試験に出るため、合格するために専門学校へ通う人がほとんどでした。

結果として、私も専門学校へ通うことにしたのです。この試験に中途採用で合格するための社会人枠での入校でした。

その頃の私は、モラハラ夫からのお金の管理についての信頼が失墜していましたので、夫婦のお金の管理はすべてモラハラ夫がしておりました。

そのため、入学にかかる費用もモラハラ夫から「この金は俺が出してやるんだから、しっかり勉強して合格しろよ」と言われながら出してもらいました。

ちなみに、以前もお話ししていますが、私たち夫婦の収入の割合は私の方が多いので、この入学にかかる費用についても、モラハラ夫が出しているというよりも私のお金をモラハラ夫が管理して、それをモラハラ夫が出しているというのが正しいのですが。

そんなこんながありながら、私は転職に向けて、日中会社に行っている時以外は、夜も休みの日も勉強をすることになりました。

もともと、私自身、勉強は嫌いではなかったので、勉強をすることは率直に楽しかったです。

仕事から帰宅して、家事をして寝る前まで勉強をして、休みの日は朝から専門学校で講義を受けて、夕方に帰る生活は、疲れましたが私にとっては息抜きでした。

なぜなら、休みの日も専門学校に行くことで、モラハラ夫から離れることが出来たからです。

モラハラ夫からのモラハラは相変わらず毎日のようにあり、モラハラ夫にとって、私が隠れて買い物をしたことは相当な心的ダメージだったようです。穏やかになったかと思えば、突如としてそのことを思い出して、私にモラハラをするというのがその頃の日常茶飯事でした。

私が専門学校にいる時間も、モラハラ夫からモラハラの電話が入ってくることもしょっちゅうありました。

そんな生活を続けていたある日のことでした。

いつものように仕事から帰宅して、夜勉強をしていた時のことです。

またも突如としてモラハラ夫のモラハラスイッチが入り、私に対しての激しいモラハラが始まったのです。

そして、その日のモラハラは、いつも以上に激しいもので、モラハラ夫の怒りの矛先は、私が就職試験に合格できるかどうかという話になってきました。

「お前本当に受かるのかよ。受かる保証あるのかよ。受かる保証もないのに、そんな勉強続けても意味ないだろ。もう勉強なんてするな。しなくていい!」

そう言って、モラハラ夫は、私が専門学校の教科書を入れているバッグを持ち出しました。バッグの中には、授業で使う教科書のほとんどがギュウギュウに入っていました。

私は咄嗟にモラハラ夫が何をするのか予想が付きました。私はモラハラ夫を必死で制止しました。

「やめて!そんなことしないで!」

けれど、私とモラハラ夫の力の差は歴然で、私はモラハラ夫を制止することが出来ず、モラハラ夫は私を突き飛ばし、そのままキッチンの流しへとズカズカと歩き、流しにバッグに入っている教科書すべてを投げだし、そのままキッチンの蛇口をひねったのです。

私は、突き飛ばされた場所から立ち上がり、すぐに蛇口を止めに行きました。

モラハラ夫は私に抵抗させまいと、またも私を突き飛ばし、蛇口の水を流し続けました。

「お前みたいなアホな女が勉強したって受かるわけないんだよ。所詮三流大学しか出てないんだから。専門学校も行かなくていい。俺が入学金も出してやったんだから」

そう言うと、モラハラ夫はさらにそこに醤油まで大量に流し込んだのです。

そして、ようやく気が済んだのか、教科書のすべてが水と醤油でビチョビチョになり、どうにもできなくなったことを確認し、モラハラ夫はそのまま寝室へと行き、眠りに就いたのでした。

私は、これまでに感じたことのない悲しみで、とてもじゃありませんが寝ることはできませんでした。

一晩中、自宅のリビングで泣き続けました。

明け方になり、私はモラハラ夫が寝ている隙に、教科書のある流しへと向かいました。

私は、教科書を取り出し、タオルで水分を拭き取ろうとしましたが、水だけでなく醤油まで染みこんだ教科書を復元させることは到底不可能でした。

しかしながら、それから数日後、私は勉強を再開することができたのです。

私は、モラハラ夫に、どうしても勉強を続けたいと懇願し、なんとか勉強を続けることに許しを得たのです。

また、モラハラ夫と専門学校の交渉により、再度、すべて真っ新な教科書を手に入れることまでできたのです。

そうして、いくつか受検した就職試験は、勉強の甲斐あってか、1社は最終面接まで残ることができたのですが、この最終面接において、またもモラハラ夫の妨害が入ることになったのです。

それはまた、別の機会にお話しさせていただきます。

清武 茶々

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