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モラハラは治らない?|モラハラ被害者が検討すべきことを弁護士が解説

投稿日:
更新日:2025/07/28
離婚・慰謝料コラム モラハラ

 昨今、モラル・ハラスメント(いわゆるモラハラ)にお悩みの方は多くなってきているように見受けられます。モラハラ被害者の多くは、モラハラ加害者からの侮辱・暴言・独自の理屈に基づく正論(のようにみえる責め言葉)に精神的に参ってしまっている一方で、モラハラ加害者がいわば“治ること”、つまり心を改めてモラハラを止めてくれることを期待しています。

 この記事では、モラハラ加害者が“治る”のかどうかという点と、モラハラ被害者が検討すべきことについて解説します。

モラハラが治ることはほとんどない

 さて、元も子もないのですが、モラハラが治ることはほとんどありません。

 モラハラ加害者には、いくつかの共通する心理的特徴が見られます。これは、自身の考えが正しく、相手が劣っている、明らかに間違っているという信念です。この信念に基づき、相手の行動や感情をコントロールしたがる支配欲が強い傾向があり、それがゆえにモラハラをするのです。また、自信があるように見えても、内面では自己肯定感が低く、それを補うために他人を貶めることで優位に立とうとするのがモラハラといえます。

 このような、ある種人間としての基盤にモラハラをする原因があるため、例えば病院・クリニックでカウンセリングを受けるなどしても、なかなかモラハラが治ることはないのです。

モラハラが治らない理由

 以下に、モラハラが治らない理由を挙げます。モラハラ加害者の性質によるところが大きいです。

本人に自覚がない

 まずは、本人に自覚がないことです。まさに、自分は正しいことを言っているだけであるという認識である場合が多いため、モラハラを治そうという動機づけも弱い傾向にあります。もちろん、自分が病的な状態であるとの自覚も、通常ありません。

本来の「支配したい」という性格

 また、上記のとおり、モラハラ加害者本来の「支配したい」という性格自体は、なかなか変わることはありません。元々、治療によって治るような種類の問題ではない部分が大きいです。

 モラハラ被害者自身も、この支配下にいる自覚を有していないことが多いです。モラハラ被害者の方の多くが、モラハラ加害者が正しいと錯覚していることが多いのです。

被害者が抵抗しなかったことによる悪循環

 加えて、モラハラ被害者がモラハラに対して反論したり抵抗したりしないことで、「この人には何をしても大丈夫。」というモラハラ加害者の認識を強めてしまい、悪循環に陥ることがあります。こうなると、もはや二人の関係だけで自然にモラハラが治っていく好循環は生み出せないでしょう。

長年の習慣や価値観

 モラハラ加害者は、自分の実家でも、両親のいずれかがモラハラをしている場合が多いです。幼少期から、モラハラが当たり前の習慣・価値観として根付いているのです。

 こういった場合には、モラハラ加害者の両親からの助けも、ほとんど期待できません。そもそもご両親も、独自の理屈を持って子どもを守りがちなのです。

治療拒否

 これらの事情が重なり、モラハラ加害者が病院での治療を拒否する事例は多く存在します。治療を求めると、かえって「俺/私が病気だと言うのか!」と逆ギレされてしまうこととなりがちです。

 こうなると、第三者の力を借りることも期待できなくなります。

モラハラ被害者が検討すべきこと

 このため、モラハラ被害者としては、モラハラ加害者が変わることを期待したり、モラハラ加害者が治療を受けるよう説得したりするのではなく、はっきりと離婚するか否かを決め、別居等の必要な手続を淡々と進めることが必要となります。

 この場合には、以下の点について検討しましょう。

証拠を取る

 まずは、同居しているうちに、できるだけ証拠を集めましょう。

 モラハラは精神的な攻撃であるため、客観的な証拠を集めることが非常に難しいです。しかしながら、後々の法的な手続や別居・離婚を検討する際には、証拠が不可欠となります。

 このためには、モラハラの内容を詳細に記録することが重要です。日時、場所、具体的な言動、その時の状況、あなたの感情や体調の変化などを、日記やメモとして残しましょう。また、可能であれば、モラハラを受けている状況を録音・録画することで、強力な証拠とすることができます。モラハラの内容が含まれるメールやLINEなどのメッセージは、スクリーンショットを撮ったり、データとして保存したりしておきましょう。モラハラが原因で心身の不調をきたしている場合、医師の診断書や通院記録も証拠となります。

弁護士に相談する

 併行して弁護士に相談しましょう。

 モラハラ問題を扱う専門の弁護士に相談することは、法的な観点からのアドバイスを得る上で非常に有効です。離婚の可否、慰謝料請求の見込み、財産分与や養育費についてなど、具体的な法的手続や認められ得る権利について詳しく教えてもらえます。もちろん、モラハラによる慰謝料の相場や請求できるかどうかについても助言を受けられるでしょう。

 離婚訴訟などを目指すとなると、どのような証拠が有効か、どのように集めれば良いかなど、専門的な視点からアドバイスを得ておくことが有用です。ここでどのような証拠があれば良いのか確認しながら、再度証拠収集を進めると良いでしょう。

 もちろん、モラハラ加害者との直接交渉は精神的な負担が大きいので、別居に前後して弁護士に離婚事件の依頼をし、あなたの代理人として交渉してもらうことで、精神的な負担を軽減することも期待できます。何よりもモラハラからの脱却のためには、あなた自身が無自覚に相手に支配された状態から脱却することが必要です。モラハラ加害者とのやり取りを続けること自体、あなたと相手との支配関係を維持することに繋がりますから、早急にやめましょう。

別居する

 モラハラから距離を置くためには、別居が有効な手段の一つです。モラハラから一時的に離れることで、精神的な安定を取り戻し、冷静に今後を考える時間が得られます。客観的証拠を中心に証拠収集ができたら、別居してモラハラ加害者から離れましょう。

 また、別居後の住所をモラハラ加害者に知られたくない場合には、DV等支援措置という住所秘匿措置を取ることも検討しましょう。警察や役所と連携しながら取る手続になりますから、弁護士の助言を受けながら、ミスが起きないように手続を進めることをお勧めします。

 別居中には、今後の生活設計を具体的に進めることができます。更に、長期間の別居は、離婚訴訟において婚姻関係が破綻していることの有力な証拠となることがあります。別居による多くのメリットを、ぜひ享受しましょう。

離婚する

 こういった準備をした上で、離婚も検討しましょう。モラハラ加害者から離れた方は、まさに自身の人生を取り戻されて、晴れやかな表情を見せるようになります。弁護士の協力があれば安心して離婚に向けて進むことができますから、あなた自身は落ち着いて、ご自身の人生のリスタートを切ってください。

モラハラ加害者の心理

 さて、ここで、改めてモラハラ加害者の心理について見直しましょう。以下のようなマインドを持っている方が多いので、モラハラが治ることは、まずないといえるのです。

自分が正しいと思い込んでいる

 モラハラ加害者は、自分の言動が全て正しく、相手が劣っている、あるいは間違っているという強い信念を持っています。モラハラ加害者からすると、自分の理屈が正しいのですから、これに反するあなたがおかしいのです。この思い込みを変えることは、至難の業です。

支配欲が強い

 また、モラハラ加害者は、モラハラ被害者の行動や感情まで支配してコントロールしようとしてきます。モラハラ加害者が束縛や行動管理・経済管理をしがちなのは、このためです。

 あなた自身がこの支配から抜け出さない限りは、支配が無くなることはないでしょう。

自己肯定感が極端に低い

 モラハラ加害者は、一見すると自信があるように見え、社会的地位が高いことも多いですが、内面では自己肯定感が非常に低く、それを補うために他人を貶めることで優位に立とうとしているのです。ある種、自分の優位性を保つためにモラハラを繰り返すといえます。

外面は良い

 他方で、モラハラ加害者は他の人からは良い人に見られることが多く、被害者だけがその裏の顔を知っているというケースがよくあります。会社や社会では、自分の高い地位を保持するために、人当たりの良い顔を見せがちなのです。

 このため、共通の知人などに相談できないままに悩むモラハラ被害者もいらっしゃいます。

感情のコントロールができない

 これらの特徴に加え、モラハラ加害者は、些細なことで感情的になったり、感情の起伏・上下が激しかったりすることが多いです。このため、一度怒り始めると怒りの抑えが効かず、夜通し怒って暴言を言い続けるなど、モラハラ被害者を精神的に追い詰める行動を取りがちです。

まとめ

 以上のとおり、モラハラが治るかどうかと、モラハラ被害者が取るべき事項についてご説明しました。モラハラは、加害者自身の性質・性格の問題であり、その行動が“治る”ことはほとんど期待できません。あなたがその状況に留まり続けることは、あなた自身の心身に大きなダメージを与え続けます。ご自身の安全と未来のために、証拠収集、弁護士への相談、別居、そして最終的には離婚も視野に入れて、具体的な行動を検討することが不可欠です。特にお子様がいらっしゃる場合は、お子様への影響も懸念されますから、早期の動き出しが必要です。

 一人で抱え込まず、専門家や信頼できる人に相談し、サポートを得ながら前に進むことが大切です。当事務所では、DV加害者を含め、苛烈な配偶者を相手方とする離婚事件も数多くこなしていますから、ご安心いただいてご相談いただくことができるかと考えます。

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【著者情報】


家事部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:45028)

2007年 慶應義塾大学法学部 卒業

2009年 慶應義塾大学法科大学院法務研究科 修了

2010年に司法試験に合格し、東京都内の法律事務所を経て、2014年より弁護士法人グレイスにて勤務

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