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養育費の支払いが止まった…どうすれば回収できる?法的対処法を紹介

投稿日:
更新日:2026/01/13
離婚・慰謝料コラム 養育費

 離婚後に養育費を支払う約束をしていたのに、「途中から振り込みが止まってしまった」「最初から一度も支払われていない」といったご相談は少なくありません。
 「何度催促しても支払ってもらえない」「手続きが難しそうで、どうしていいかわからない」というお悩みを抱える方も多くいらっしゃいます。
 実際、長崎県内でも、こうした養育費の未払いに関する相談は年々増えています。
 養育費の未払いを放っておくと、時効で請求できなくなるおそれがあるだけでなく、日々の生活にも大きな影響を与えかねません。
 ただし、正しい手続きを踏めば、未払いの養育費を取り戻す方法はあります。
 ご自身で手続きすることもできますし、弁護士や裁判所の力を借りて確実に回収することも可能です。
 この記事では、長崎で養育費の未払いにお困りの方へ向けて、「どんな手段で回収できるのか」「まず何をすべきか」などをわかりやすく解説します。

養育費が支払われない理由と放置するリスク

 養育費が支払われない背景を知ることで、適切な対応策を選びやすくなります。
 支払われない状態を放置すると回収が難しくなるため、早めの行動が欠かせません。

なぜ養育費の未払いが起こるのか

主な原因

親権を取得できなかった男性が支払いを渋る

 離婚協議で親権を得られなかった男性の中には、「母親が子を監護するのだから費用も負担すべきだ」と考えて養育費の減額や免除を求める人がいます。

面会交流が行われていない

 離れて暮らす子どもに会わせてもらえない父親が「会えないなら払わない」と言い出し、母親も「払ってくれないなら面会させない」と対立するケースが見られます。

収入の減少を理由に支払いを止める

 養育費は父母双方の収入に基づいて決めますが、「収入が下がれば養育費も下がる」と誤解し、勝手に支払額を減らしたり停止したりする人がいます。

再婚等による誤解

 母親が再婚すると、前夫が「新しい父親が扶養しているのだから養育費を払うと二重に利益を与える」と誤解して支払いをやめる例があります。父親側の再婚でも扶養する家族が増えたことを理由に減額を求められることがあります。

まとめ
 上記のように、相手の経済的事情や心理的な理由が未払いの背景にあります。合意した金額を払えない場合には減額の調停を申し立てる方法がありますが、「払いたくない」と意図的に支払いを拒む場合は法的手続きを取る必要があります。

放置することのデメリット

 養育費の未払いを「いつか払ってくれるだろう」と放置すると、次のような重大な不利益が生じます。

時効で請求できなくなる

 民法166条により、債権は権利を行使できる時から5年行使しないときは時効により消滅し、事情を知らなかった場合でも10年間で時効が完成します。
 養育費の場合も月ごとに5年の消滅時効が進行します。一度時効を迎えた部分は原則として請求できません。

子どもの生活や教育に影響する

 養育費は子どもの衣食住や教育に充てる大切な資金です。
 支払いが止まると学習塾に通わせられない、生活費を補うために仕事を増やさなければならないといった声があり、親子が過ごす時間や子どもの教育機会に影響が出ています。

法的請求のハードルが上がる

 離婚時に公正証書や調停調書を作成せず、口約束や離婚協議書だけで取り決めた場合は、未払い時に強制的に支払わせることができません。
 支払いが途絶えてから証拠を集め直すのは大変で、時効期間中に手続きを始められないおそれもあります。

養育費の未払いを解決する3つのステップ(初期対応から法的手続きまで)

 養育費の支払いが止まった場合は、感情的にならず、法的手続きを視野に入れて段階的に対応することが大切です。自己判断で交渉すると証拠が残らず、回収が難しくなるおそれがあります。
 ここでは、確実に解決へ進むための3つのステップを紹介します。

STEP1:相手に直接請求して記録を残す

 まずは、相手に支払いの再開を求める意思を明確に伝えましょう。
 口頭ではなく、LINE・メール・内容証明郵便など「証拠が残る形」で連絡することが基本です。
 特に以下の点を意識してください。

  • 未払いとなっている年月・金額を明確に示す
  • 「支払いがない場合は法的手続きを検討する」と通知する
  • やり取りはすべて記録として保存する

 公正証書や調停調書がある場合は、「強制執行を検討している」と書き添えると効果的です。感情的な文面を避け、事実に基づいた冷静な文章を心掛けましょう。

STEP2:家庭裁判所の制度を利用する

 相手が支払いを拒否した場合は、家庭裁判所の「履行勧告」や「履行命令」制度を利用します。これらは無料で利用でき、裁判所が相手に支払いを促す制度です。

手続きの流れ

  • 養育費の取り決め(公正証書・調停調書・審判書など)があることを確認
  • 管轄の家庭裁判所に「履行勧告」や「履行命令」の申立書を提出
  • 履行命令に従わない場合、過料(10万円以下)が科されることもある(家事事件手続法289条)

 履行勧告や履行命令でも支払いが再開されない場合は、次の段階である強制執行(差し押さえ)に進みます。

STEP3:強制執行(差し押さえ)で確実に回収する

 相手が最後まで支払いを拒む場合は、強制執行手続きを利用して未払い分を回収します。
 強制執行は裁判所の手続きを通じて、相手の給与や預金を差し押さえる方法です。

強制執行の条件

  • 公正証書・調停調書・審判書など、債務名義があること
  • 相手の勤務先または銀行口座が判明していること

 勤務先や口座が分からない場合は、「第三者からの情報取得手続き」を利用します。
 これは、2020年4月の民事執行法改正で導入された制度で、裁判所を通して市区町村や金融機関から相手の情報を開示してもらう仕組みです。

実際のケース
 長崎でも、公正証書をもとに給与を差し押さえて、未払いの養育費を実際に回収できた例があります。
 たとえば、「元夫が半年以上養育費を支払わなかったため、公正証書に基づいて、地方裁判所に給与債権の差押さえを申立てて、勤務先に差押命令を出し、毎月の給料から自動的に天引きされるようになった」というケースもあります。
 このように、法的手続きをとることで、これまで支払いを拒んでいた相手がようやく応じるケースも少なくありません。
 強制執行はあくまで最終手段ではありますが、未払いの養育費を確実に回収するための非常に強力な方法です。

公正証書や調停書がない場合の対処法

 離婚時に養育費の取り決めを口約束や簡単なメモだけで済ませたケースは少なくありません。
 しかし、公正証書や調停調書などの「法的拘束力がある書面」がない場合、相手が支払いを拒んでも強制的に回収できないのが実情です。
 そうした状況でも取るべき現実的な対応を説明します。

法的拘束力がない“口約束”の危険性

 口約束やLINEのメッセージだけでは、強制執行の手続きに進むことができません。
 なぜなら、裁判所で差し押さえを行うには「債務名義」と呼ばれる公式文書が必要だからです。(※債務名義とは、公正証書・調停調書・審判書など、裁判所や公証人が作成した法的文書を指します)
 例えば、離婚時に、「毎月3万円払うと約束していた」というメッセージがあっても、それは法的には単なる私的合意であり、相手が支払いを拒否しても強制力はありません。
 この状態で家庭裁判所に「履行勧告」や「履行命令」を申し立てても、根拠となる書面がないため受理されません。
 口約束や任意の離婚協議書だけでは、法的強制力がなく、強制執行も不可能です。

家庭裁判所で「調停」を申し立てて正式な取り決めを

 書面がない場合は、家庭裁判所の「養育費請求調停」を申し立てましょう。
 この手続きを経て作成される「調停調書」には裁判所の認定が入るため、法的拘束力があります。

養育費請求調停の流れ

  • 管轄の家庭裁判所に申立書を提出
  • 調停委員が双方の収入・生活状況を確認
  • 養育費額・支払方法・期間を協議し、合意成立後「調停調書」を作成

 調停が成立すれば、相手が再び支払いを滞納した場合でも、差し押さえなどの強制執行が可能になります。
 もし相手が出席せず合意ができない場合は、裁判官が審判を下し「審判書」が作成されることもあります。これも債務名義として扱われます。
 家庭裁判所での調停を経ることで、初めて強制力のある取り決めが成立します。

将来のトラブルを防ぐためのポイント

 調停での取り決めが終わったら、次のような対策を取っておくと再トラブルを防げます。

公正証書を追加で作成する

 調停後に弁護士や公証役場を通じて公正証書を作成しておくと、確実に執行できる状態になります。

支払い履歴を定期的に記録する

 通帳・明細・送金スクリーンショットを保管しておくことで、万一の滞納時に証拠として活用できます。

口頭での約束は避け、書面で残す

 今後の増額・減額の話し合いも、口約束ではなく文書化するのが原則です。

養育費の時効と再発防止策

 養育費の未払いは、放置すれば法的に請求できなくなる可能性があります。
 時効の仕組みを理解し、期限内に正しい対応をすれば、未払い分を回収することは十分に可能です。今後の支払いトラブルを防ぐための予防策も、早い段階で整えておきましょう。

養育費の時効は原則5年または10年

時効の基本ルール
 養育費にも「時効」があります。2020年4月の民法改正により、権利を行使できる時から5年となりました(民法第166条)。
 ただし、改正前に支払いが滞っていた分については、旧民法が適用され、最長10年の時効期間が認められます。
 つまり、次のように整理できます。

支払い停止時期 時効期間 根拠
2020年4月1日以降 5年 新民法第166条
2020年3月31日以前 10年 旧民法第167条

時効の進行と中断
 養育費は「毎月の支払いが独立した債権」とされており、各月ごとに時効が進行します。
 例えば、2020年5月分の養育費は2025年5月で時効が完成します。
 ただし、裁判・調停・内容証明郵便での請求などを行えば時効は中断し、再びゼロからカウントされます。
 未払いがあると気づいたら、1ヶ月でも早く行動し、時効中断の手続きを取りましょう。

再発防止のためのポイント

 養育費の未払いを防ぐには、法的・実務的な仕組みを整えることが欠かせません。
 「信頼関係があるから大丈夫」と思っても、環境の変化で支払いが滞るケースは多くあります。

公正証書または調停書を作成する

 公正証書や調停調書には、「強制執行できる効力(執行力)」があります。そのため、たとえ相手が再び養育費の支払いを止めたとしても、あらためて裁判を起こす必要はありません。これらの書類をもとに、すぐに給与や預金を差し押さえる手続きをとることができます。

支払い履歴を定期的に記録・管理する

 通帳の振込履歴、送金スクリーンショットなどを毎月保存しましょう。
 支払いの有無を明確にしておくと、相手が「払った」と虚偽の主張をしても反証できます。

減額・免除が認められるケースもある

 養育費は、一度金額を決めたら一生そのまま支払い続けなければならない、というものではありません。
 たとえば、支払う側の収入が大幅に減ったり、子どもが進学や就職などで生活環境が変わったりした場合には、金額の見直しが認められることもあります。
 ただし、「勝手に支払いを減らす」「支払いを止める」といった行為は違法です。
 減額や免除が認められるのは、正当な理由があり、裁判所の判断で許可された場合に限られます。
 ここでは、その具体的なケースと注意点を説明します。

支払者の長期入院・障害・失職などやむを得ない事情

 裁判所は、支払者の経済状況が著しく悪化した場合に限り、減額や一時的な免除を認めることがあります。代表的な例は次の通りです。

  • 病気や事故による長期入院・療養
  • 離職や倒産などによる収入喪失
  • 災害など不可抗力による経済的困難

 ただし、「一時的に生活が苦しい」程度では減額は認められません。生活保護を受給するほどの経済的困窮や、医師による就労制限がある場合など、客観的な証拠が必要です。
 減額を希望する側は、まず家庭裁判所に「養育費減額調停」を申し立て、現状を説明する義務があります。勝手に支払いを止めると「不履行」とみなされ、差し押さえの対象になるおそれがあります。
 経済的に厳しくても、自己判断で止めず、必ず調停を申し立てましょう。

再婚や扶養義務者の増加で養育費が見直されることも

 支払う側や受け取る側が再婚した場合や、新たに扶養すべき子どもが生まれた場合も、養育費の見直しが認められることがあります。
 例えば以下のようなケースです。

  • 支払う側が再婚し、新しい配偶者との間に子どもができた
  • 養育費を受け取る側が再婚し、新しい配偶者に扶養されている
  • 支払う側の親が要介護となり、扶養負担が増えた

 これらの場合、双方の収入や生活状況を再計算して、金額を調整することが可能です。
 ただし、再婚しただけでは自動的に減額されるわけではありません。
 「新しい家族を養うために、以前と同じ額を払うのが著しく困難」であることを、資料(源泉徴収票・扶養家族の証明書など)で示す必要があります。
 扶養家族が増えた場合でも、客観的な証拠がなければ減額は難しいと考えましょう。

一方的な減額主張には注意

 支払者の中には「再婚した」「収入が減った」などを理由に、一方的に支払いを減らす行為をする人もいます。
 しかし、家庭裁判所の判断を経ていない減額は無効であり、未払い分は後からまとめて請求できます。
 裁判例でも、支払者が「一時的に払えない」として送金を止めた結果、給与差し押さえ命令を受けたケースがあります。
 また、「相手が同意していた」と主張しても、書面がない限り証拠としては認められません。
 養育費は子どもの権利であり、相手の都合だけで減額することはできません。

弁護士に相談するメリットと費用感

 「弁護士に相談するのはお金がかかりそう」「自分でできる手続きもあるのでは?」
 そんな不安から、専門家への相談をためらう方は少なくありません。

 しかし、養育費の未払いは感情的なトラブルと法的な手続きが絡む複雑な問題です。
 専門家の力を借りることで、解決までのスピードと確実性が大きく変わります。

弁護士に依頼するメリット

相手の支払い意思を高める(プレッシャー効果)

 弁護士が介入すると、相手は「法的手段を取られるかもしれない」と認識し、支払いに応じる可能性が高まります。
 特に、公正証書や調停調書がある場合、弁護士が代理人として正式な内容証明を送ることで、話し合いを避けていた相手が支払いを再開するケースも多くあります。

手続き・証拠収集・交渉を一任できる

 弁護士は、家庭裁判所への申立書作成や、相手の住所・勤務先・口座情報の調査などを代行できます。
 また、強制執行や情報開示請求(第三者からの情報取得制度)も代理で行えるため、
「何から始めたらいいのか分からない」という状態でも安心して任せられます。

最適な請求方法を提案してもらえる

 弁護士は、相手の状況や支払い能力を踏まえて、交渉・調停・差し押さえ・和解など最も効果的な方法を提案します。
 自力で進めて途中で行き詰まるより、早い段階で専門家に相談した方が、結果的に時間も費用も少なく済む傾向があります。
 弁護士の介入は、未払い回収の「実行力」と「安心感」を同時に得られる有効な手段です。

まとめ|「子どもの権利を守る行動」を今日から始めよう

 養育費の未払いは、単なるお金の問題ではありません。
 それは、子どもの生活と未来を守るための「権利の問題」です。
 支払う側の都合や感情によって止まってしまうことがあっても、法的に定められた権利を正しく主張すれば、回収・再開は十分に可能です。
 「どうせ無理」と諦める前に、今日からできる小さな一歩を踏み出しましょう。

養育費回収の基本ステップを振り返る

 この記事で紹介したように、未払いへの対応には順序があります。
 焦らず段階を踏めば、確実に問題を解決できます。

ステップ 内容 主な機関
STEP1 相手に正式に請求し、証拠を残す LINE・内容証明郵便など
STEP2 家庭裁判所で履行勧告・調停を申立てる 長崎家庭裁判所
STEP3 強制執行(差し押さえ)で回収する 裁判所/弁護士

 法的文書(公正証書・調停調書)を持っていれば、よりスムーズに進められます。
 まだ書面を作成していない場合は、早めに家庭裁判所で調停を申し立てましょう。

行動を止めてしまう「3つの壁」

 養育費未払いの相談者が抱えやすいのが、「時間」「お金」「不安」という3つの心理的な壁です。

  • 時間の壁:家事・育児・仕事で忙しく、行動を後回しにしてしまう
  • お金の壁:弁護士費用が高いのではと感じ、相談をためらう
  • 不安の壁:相手と争うことが怖く、一人で抱え込んでしまう

養育費の回収は「子どもの未来を守る行動」

 養育費は、親同士の関係ではなく、子ども自身の生活を支えるためのお金です。
 そのため、支払いを求める行動は「わがまま」ではなく、「正当な権利の行使」です。
 家庭裁判所での調停や強制執行を利用することは、対立ではなく「生活を守るための法的な手段」です。

最後に:一人で悩まないで

 長崎県には、家庭裁判所・自治体の支援センター・地域の弁護士事務所など、頼れる機関が揃っています。経済的にも精神的にも孤立せずに、まずは誰かに相談してください。
「泣き寝入りをやめた瞬間から、問題は動き出す。」
 あなたの一歩が、子どもにとっての安心と希望につながります。
 そして、法的制度を正しく使うことが、親として子どもの権利を守る最も確実な方法です。

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【著者情報】


離婚や不貞慰謝料、相続など、家庭や男女問題をめぐる法律問題に対応。女性弁護士も所属し、モラハラ被害者の救済に注力。年間1000件を越える離婚や不倫慰謝料等の男女問題に関するご相談に対応。

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