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浮気の慰謝料相場は?請求された時の減額方法と適正価格で解決する手順を弁護士が解説

投稿日:
更新日:2026/02/10
離婚・慰謝料コラム 不倫・浮気 慰謝料

「不倫相手の配偶者から300万円を請求された」

「一度の過ちを理由に、会社へ連絡すると言われている」

「高額すぎて支払えないが、誰にも相談できず不安で眠れない」

突然このような慰謝料請求を受け、強い不安や恐怖を感じていませんか。

不貞行為を理由とする慰謝料請求は、これまでの生活や仕事、人間関係に大きな影響を及ぼしかねません。

しかし、まずお伝えしたいのは、相手方の請求額をそのまま受け入れる必要はないということです。

不貞行為の慰謝料額は、法律上あらかじめ決められているものではなく、裁判例の積み重ねによって一定の相場が形成されています。事案の内容によっては、当初の請求額から減額されるケースも少なくありません。

この記事でわかること
  • 自分のケースにおける適正な慰謝料相場が分かる
  • 不貞行為の慰謝料がどのような基準で決まるかが分かる
  • 職場への連絡を示唆されている場合の法的な考え方が分かる

法的な根拠に基づいた解決策を知ることで、今の苦しい状況から必ず抜け出すことが出来ます。

浮気(不貞行為)の慰謝料相場と決まる仕組み

不貞行為の慰謝料には、法律上の明確な定額基準があるわけではありません。もっとも、裁判例の蓄積により、一定の目安は存在します。

一般的な裁判例上の相場としては、

  • 離婚や別居に至っていない場合:概ね50万円〜100万円程度(事案によっては150万円前後まで認められる例もあります)
  • 別居や離婚に至った場合:増額されやすく、離婚事案では概ね200万円〜300万円程度が多い傾向にあります

もっとも、慰謝料額は、婚姻期間、不貞行為の期間・頻度、夫婦関係の破綻状況、当事者の対応態度など、個別事情によって大きく左右されます。

そのため、請求額が相場から大きく外れている可能性もありますし、反対に、一定の増額が認められる事情がある場合もあります。

まずは、ご自身の状況を客観的に整理し、どの水準に位置づけられるのかを把握することが重要です。

不倫後の関係性で変わる金額の目安

不貞行為を理由とする慰謝料額を判断するうえで、最も重視されるのは、その行為によって「婚姻関係がどの程度侵害されたか」という点です。

法律が保護しているのは、配偶者が有する「平穏な婚姻生活を送る利益」であり、その侵害の程度に応じて慰謝料額が評価されます。

実務上は、不貞行為発覚後の夫婦関係の状況により、概ね次の3つの段階に分けて考えられることが多いです。

① 離婚・別居に至っていない場合

不貞行為は発覚したものの、夫婦が離婚や別居に至らず、婚姻関係を継続しているケースです。

この場合の裁判例上の相場は、概ね50万円〜100万円程度とされることが多く、事案によっては150万円前後が認められることもあります。

婚姻関係が継続している以上、家庭生活や経済的基盤が完全には失われていないと評価されやすく、精神的苦痛の程度も、離婚に至るケースと比較すると相対的に低いと判断される傾向にあります。

② 不倫を契機に別居に至った場合

不貞行為をきっかけとして夫婦が別居に至った場合、慰謝料額は増額されやすくなります。この場合の相場は、概ね100万円〜200万円程度が一つの目安です。

別居は、婚姻関係が実質的に破綻へ向かっていることを示す重要な事情と位置づけられます。生活拠点を分けることで、平穏な家庭生活が大きく損なわれたと評価され、慰謝料算定上の加重要素となります。

③ 不倫が直接の原因となって離婚に至った場合

不貞行為が主たる原因となって離婚に至った場合、慰謝料額はさらに高額となる傾向があります。裁判例上の相場としては、概ね200万円〜300万円程度が中心です。

離婚により婚姻関係が完全に解消されることから、精神的苦痛の程度が最も大きいと評価されやすいためです。

相手方から「500万円」「1,000万円」といった請求を受けている場合、その金額が裁判例上の相場を大きく上回っている可能性もあり、慎重な検討が必要です。

もっとも、これらはあくまで一般的な目安に過ぎません。

例えば、不倫期間が極めて長期に及ぶ場合や、不倫相手との間に子が出生した場合などには、離婚に至らなくても高額な慰謝料が認められる例もあります。

一方で、婚姻期間が極めて短い場合や、不貞当時すでに夫婦関係が実質的に破綻していたと認められる場合には、第三者(不倫相手)の慰謝料責任自体が否定されることもあります。

この点では、単なる「不仲」では足りず、別居の有無、夫婦間の交流状況、関係修復の可能性などを具体的事実に基づいて立証できるかが重要になります。

相場よりも高くなるケース・低くなるケース

慰謝料額は、「離婚したかどうか」だけで一律に決まるものではありません。

実際の交渉や裁判では、不貞行為の内容や当事者双方の対応など、さまざまな個別事情が総合的に考慮されます。

・慰謝料が高額になりやすい(増額要因)

増額要因として典型的に挙げられるのは、不貞行為の悪質性や背信性が強い場合です。

  • 不貞行為の期間が長期(数年単位)に及び、回数も多い
  • 不倫関係の結果、妊娠・出産に至った
  • 関係解消を求められた後も、不貞関係を継続した
  • 反省の態度が見られず、開き直った対応をした
  • 配偶者が精神疾患(うつ病等)を発症した

これらの事情が認められる場合、裁判所は精神的苦痛が大きいと評価し、相場の上限に近い金額を認定する傾向があります。

特に、生活の場を著しく侵害するような行為や、配偶者や子の存在を軽視する態様は、強い非難対象となりやすい点に注意が必要です。

・慰謝料が低額になりやすい(減額要因)

一方で、慰謝料の減額が検討される事情もあります。交渉実務においては、ここが重要なポイントとなります。

  • 肉体関係が一度限り、または極めて短期間であった
  • 相手方から積極的に誘われたなど、主導性が低かった
  • 不貞当時、婚姻関係が既に形骸化していた
  • 速やかに謝罪し、誠実な態度で対応している
  • 相手方配偶者から、こちらの配偶者にも慰謝料請求(求償)が想定される

例えば、独身であると偽られて関係を持った場合や、「既に離婚協議中」「夫婦関係は破綻している」との説明を信じたことに合理的理由がある場合には、慰謝料額の減額、場合によっては支払義務そのものが否定されることもあります。

もっとも、「知らなかった」という主観的な説明だけでは足りず、当時の客観的状況からみて、注意しても知り得なかったこと(過失がないこと)を立証できるかが重要になります。

相手の請求額が高額だと感じた場合、単に拒否するのではなく、こうした減額要素を法的根拠に基づいて整理し、論理的に主張することが、適正な解決への近道となります。

慰謝料を300万円から90万円へ減額した解決事例

高額な慰謝料請求を受けた場合でも、法的な観点から事案を整理し、適切な対応を行うことで、請求額を現実的な水準まで調整できるケースは少なくありません。

以下では、当職が実際に関与した事例をもとに、減額に至った考え方と交渉の進め方をご紹介します。

これらの事例に共通するのは、感情論ではなく、裁判例や法的要件に基づいて主張を組み立てたこと、そして冷静かつ粘り強く協議を重ねたことです。

【事例1】1回限りの関係で250万円請求された40代男性

相談者Aさんは、独身の会社員男性です。職場の既婚女性から家庭の悩みを相談される中で、関係が一度だけ不適切なものとなってしまいました。

後日、この事実が相手方配偶者に知られ、Aさんに対し250万円の慰謝料請求がなされました。さらに、勤務先への連絡を示唆する言動もあり、Aさんは強い不安を抱えていました。

本件の重要なポイントは、

  • 不貞行為が一度限りであること
  • 婚姻関係への影響が限定的と評価され得ること
  • 請求額が裁判例上の相場を大きく超えていること

でした。

当職は、まず弁護士が窓口となる旨を通知し、本人への直接連絡や職場への接触を控えるよう求めました。

そのうえで、事実関係を整理し、仮に裁判となった場合に認められる可能性のある慰謝料額について、裁判例を踏まえて具体的に説明しました。

また、Aさんの経済状況や反省の意思、婚姻関係の実情なども考慮要素として丁寧に伝えました。その結果、相手方も訴訟による長期化や不確実性を踏まえ、現実的な解決を選択し、最終的に90万円での和解が成立しました。

支払方法についても分割払いとすることで、過度な生活負担を避ける形となりました。

【事例2】既婚を隠されていた期間がある30代男性

相談者Bさんは、知人関係をきっかけに女性と親密な関係になりましたが、相手は実際には既婚者でした。

相手女性は長期間にわたり「独身である」と説明しており、Bさんもそれを信じていました。ところが関係が発覚し、相手方配偶者の代理人から300万円の慰謝料請求を受けました。

本件で特に重要だったのは、Bさんが相手の婚姻関係を知らなかった期間が相当長いという点です。

不貞行為による慰謝料責任が認められるためには、既婚であることについての故意または過失が必要とされます。長期間にわたって独身と偽られていた事情は、過失の有無や程度を判断するうえで重要な要素となります。

さらに調査の結果、相手女性が他にも複数の交際関係を持っていた事情が判明し、精神的苦痛の原因がBさんの行為のみに帰属すると評価することは困難でした。

当職は、やり取りの記録等をもとに、Bさんに過失が認められる範囲は限定的であること、請求額が裁判例上過大であることを論理的に主張しました。

結果として、訴訟に移行した場合の見通しを踏まえ、相手方も請求額を見直し、最終的に90万円での和解が成立しました。

法外な請求や嫌がらせへの正しい対処法

不倫問題では、被害感情から相手方が強い言動に出ることがあります。しかし、「自分に非があるから」といって、法的に不相当な要求まで受け入れる必要はありません。

理不尽な請求や嫌がらせから身を守るためには、正しい法的知識と冷静な対応が不可欠です。

職場への連絡や強迫的な言動への対応

「職場にばらす」「上司に不倫の事実を伝える」といった言動は、相談者にとって大きな心理的圧迫となります。しかし、こうした行為は、相手方にとっても法的リスクを伴います。

不倫の事実を職場等に言いふらす行為は、内容が真実であっても、名誉毀損(刑法230条)に該当し得ます。

公共性・公益目的がある場合などには違法性が阻却される余地がありますが、私的な感情に基づく暴露は、その要件を満たしにくいのが実情です。

また、反復的な架電や押しかけ行為は、業務妨害に該当する可能性があり、脅迫的な言動によって金銭や書面を求める行為は、強要罪や恐喝罪が問題となることもあります。

このような場合には、

  • やり取りをすべて記録する
  • 不当な連絡は控えるよう明確に意思表示する
  • 弁護士を窓口とし、直接接触を避ける

といった対応が有効です。早い段階で第三者を介入させることが、結果として被害の拡大を防ぐことにつながります。

提示された金額をそのまま支払うべきではない理由

高額な請求を突き付けられると、早く終わらせたい一心で支払いを考えてしまいがちですが、慎重な判断が必要です。

第一に、提示額が裁判例や法的基準に照らして過大である場合が少なくありません。一度支払ってしまうと、後から返還を求めることは極めて困難です。

第二に、書面による合意(示談書)を作成せずに支払うと、追加請求を受けるリスクがあります。支払いを行う場合には、清算条項を含む合意書を作成することが不可欠です。

第三に、不貞行為は共同不法行為とされるため、負担割合の調整や求償関係も問題となります。交渉においては、将来の求償を含めた全体像を見据えた解決が重要です。

感情が高ぶった状態で判断を下すことは、後悔につながりかねません。

まずは、その請求が法的に妥当なものかを確認することが、適切な解決への第一歩となります。

慰謝料請求を無視するリスクと弁護士に依頼するメリット

「怖いから連絡を無視している」「放っておけばそのうち収まるだろう」と、問題を先送りにしていませんか。

その沈黙は、事態を解決するどころか、あなたをさらに深刻な窮地へと追い込んでしまいます。一方で、適切なサポートを得ることで、得られるメリットは計り知れません。

放置すると差し押さえや裁判の恐れがある

慰謝料請求に対して何の対応もせず放置していると、相手方は「話し合いによる解決は困難」と判断し、裁判所を利用した法的手続に移行する可能性があります。

訴訟が提起されると、裁判所から自宅宛に呼出状や訴状(特別送達)が送付されます。これに対し、答弁書を提出せず、期日にも出頭しない状態が続くと、主張を争わないものとして扱われ(いわゆる擬制自白)、相手方の請求が認められやすくなります。

判決が確定すると、相手方はその判決を根拠として強制執行を申し立てることができます。実務上、差し押さえの対象として選ばれやすいのが給与や預貯金です。

給与が差し押さえられた場合、勤務先に裁判所から書類が送付されるため、金銭トラブルが職場に知られる可能性があります。もっとも、具体的な内容がどこまで推測されるかは、書面の記載内容や社内の取扱いによります。

また、銀行口座が差し押さえられ、生活費の引き出しが制限されることもあります。

弁護士が代理人となることで精神的負担を軽減

不倫に関するトラブルでは、相手方から感情的・攻撃的な連絡が続くことが少なくありません。

頻繁な電話やメッセージによって日常生活に支障が生じ、強いストレスを抱える方も多く見受けられます。

弁護士に依頼する最大のメリットは、相手方との窓口をすべて弁護士に一本化できる点です。

依頼後は、相手方に対して「今後の連絡は代理人である弁護士を通すように」と通知を行うため、本人が直接対応する必要はなくなります。これにより、精神的な負担が大きく軽減されるケースがほとんどです。

また、弁護士は感情論ではなく、事実関係と法的評価に基づいて交渉を行います。

  • 裁判例を踏まえた慰謝料額の相場を整理する
  • 相手方の主張の問題点や過大な部分を指摘する
  • 将来の紛争を防ぐため、清算条項を含む示談書を作成する
  • 配偶者同士の関係や求償関係も見据えた全体的な解決を図る

このような対応は、ご本人だけで行うことは容易ではありません。弁護士費用を懸念される方もいらっしゃいますが、請求額が大幅に減額された場合、その経済的メリットが費用を上回るケースも少なくありません。

何より、精神的な負担を軽減し、将来に不安を残さない形で問題を終結させることには、大きな価値があります。

一人で抱え込まず、早い段階で専門家に相談することが、結果としてご自身の生活と平穏を守ることにつながります。

まとめ

今回の記事では、浮気・不倫の慰謝料を請求された際の相場や、減額するための具体的な方法について解説しました。ポイントを以下にまとめます。

  • 慰謝料の相場は、離婚の有無によって50万円〜300万円程度。
  • 1回限りの不貞や、相手方に主導権があった場合は、大幅な減額が可能。
  • 職場への連絡や強迫行為は違法性が高く、毅然とした対応で止めさせることが出来る。
  • 相手の言い値をそのまま支払わず、求償権や証拠をもとに適正価格へ導くべき。
  • 放置は裁判や給料差し押さえを招くため、早急に弁護士を介入させるのが最善。

不倫という過ちは、確かに重い責任を伴います。しかし、それは決して、法を外れた高額な金銭を奪われたり、社会的に抹殺されたりして良い理由にはなりません。

適切な手続きを経て、法的に妥当な範囲で責任を取ることは、あなた自身が新しい人生へ進むための大切な通過点です。

今の苦しみから解放され、前を向ける日が必ず来ます。そのためにも、まずは今の状況を隠さず私に相談してください。

あなたが再び穏やかな日常を取り戻せるよう、全力で交渉にあたります。

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【著者情報】


離婚や不貞慰謝料、相続など、家庭や男女問題をめぐる法律問題に対応。女性弁護士も所属し、モラハラ被害者の救済に注力。年間1000件を越える離婚や不倫慰謝料等の男女問題に関するご相談に対応。

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