離婚後に苗字を変えない割合は?旧姓に変える方法とメリット・デメリットについて解説 | 離婚 弁護士 多拠点対応|弁護士法人グレイスへお任せください

執務時間 平日9:00 - 18:00【電話受付24時間対応】

0120-100-129

メールメールでお問い合わせ

LINELINEでお問い合わせ

初回相談60分無料

0120-100-129

離婚後に苗字を変えない割合は?旧姓に変える方法とメリット・デメリットについて解説

投稿日:
更新日:2025/01/14
離婚・慰謝料コラム その他

1. 離婚後に苗字を変えない割合

 離婚後に、婚姻中に夫の苗字を名乗っていた方は、どの程度苗字を旧姓に変えるのでしょうか。子供の有無によっても姓を戻すかどうかの選択は変わってくるでしょう。

 実は、離婚後に苗字を変えない人の割合は、2023年度の戸籍統計によると、約45%にのぼります。離婚後も約45%の方が、旧姓に戻さずに婚姻中の苗字を名乗り続ける選択を取っているのです(この制度を、「婚氏続称制度」といいます。)。意外に感じられる方が多いかもしれませんが、離婚後に苗字を変える人と変えない人はおよそ半々です。

2. 離婚後に苗字を変えない人の理由

 それでは、離婚後に苗字を変えない人は、どのような理由から苗字を変えないのでしょう。以下のような理由に基づくことが多いようです。

子供の苗字に影響を与えないように苗字を維持する

 離婚後に苗字を旧姓に戻す場合、通常、子供の氏の変更申立て(家庭際裁判所に対して行います。)を行い、子供の苗字もご自身の旧姓に合わせることとなります。

 そうすると、お子様が学校に通われている場合などには、急にお子様の苗字が変わることで学校生活に変化を来たしたり、周りの子供から何か指摘を受けたりする可能性があります。また、小中高生くらいのお子様ですと、自分の苗字に対して愛着を持っていて、急に苗字が変わること(そのまま周りからの呼び名が変わることになります。)に抵抗感を覚えるお子様も少なくありません。

 このような事情から離婚後に苗字を変えない選択を取る方もいらっしゃいます。

仕事等のキャリア上の問題から苗字を維持する

 また、仕事等のキャリア上の問題から苗字を維持する方もいらっしゃいます。

 職場では離婚した事実を明らかにしていない場合には、苗字の変更に伴って周囲から余計な詮索を受けることもあるでしょうし、離婚の事実が露呈する事態も招きかねません。

 取引先との関係性ができている場合などには、仕事上、夫の苗字を利用し続けなければ、取引先との関係などのキャリア構築に重要な要素を失うことにもなりかねません。特に書籍・論文などの執筆の実績がある場合ですと、夫の苗字と旧姓との双方で実績が分布することになってしまいます。

 このような不利益を受けないために、苗字を変えないこともあるのです。

各種契約名義の変更手続が不要となる

 苗字が変わった場合、銀行口座、運転免許証、パスポート、年金、社会保険、保険、クレジットカードなど、多種多様な契約等の名義変更の手続が必要となります。これらの名義変更のためには、各機関を訪問する必要もありますし、必要書類を揃えるなどの手間もかかります。

 このような煩雑な手続を避けるために苗字を変えないこともあり得ます。

3. 苗字を旧姓に変える人の理由

 逆に苗字を旧姓に変える人は、以下のような理由に基づくことが多いようです。

元配偶者との関係を断ち切りたい

 まず挙げられるのが、元配偶者との関係を断ち切りたいために苗字を変えるという方です。

 やはり婚姻中の苗字を維持すると、否が応でも元配偶者とのことや、婚姻関係中のことを思い出してしまうでしょう。苗字を変えて元配偶者との縁を絶ちきり、新境地で生活をリスタートしたいと考える方が多いようです。

実家に帰るなど、旧姓の親族との関係・交流が密になる

 次に挙げられるのが、離婚をきっかけに実家に帰るなど、旧姓の親族との関係・交流が密になるため、旧姓に戻すという方です。

 特にお子さんと共に実家に帰る場合には、実家の祖父母からも旧姓に戻すようにとの要望が出されることも多いようです。これらの旧姓の親族からの要望・求めに応じるといった外圧によって旧姓を維持する方もいらっしゃいます。

4. 離婚後に苗字をそのままにするメリット・デメリット

 それでは、離婚後に苗字をそのままにする(つまり夫の氏を維持する)メリット・デメリットとしては、どのような点が挙げられるのでしょうか。

離婚後に苗字をそのままにするメリット

 まず、離婚後に苗字をそのままにする場合のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

① 子供・仕事への影響が少ない

 上述のとおり、離婚後に苗字が変わることで、子供・仕事への影響が出ることは避けられません。このような影響を小さくすることができることはメリットです。

② 人間関係への影響が少ない

 ①同様に、離婚後に苗字が変わらないので、周囲の人間・知人に離婚の事実が知られにくくなります。これによって、離婚後の人間関係への影響も抑えることができます。

③ 名義変更手続等の煩雑な手続を避けられる

 この点も上述のとおりです。

離婚後に苗字をそのままにするデメリット

 他方で、以下のようなデメリットがあることには注意が必要です。

① 元夫・元妻との関係性、婚姻中のことが風化しない

 やはり婚姻中と同じ苗字を名乗り続けることとなりますから、婚姻中の辛かった出来事や、元夫・元妻との関係性がなんとなく意識に残ったままになる場合があります。離婚を契機に気持ちを切り替えて新生活に歩み出すというそのフレッシュさが生じにくいといえるでしょう。

② 再婚して離婚した場合に、旧姓に戻しにくくなる

 また、仮に新たなパートナーと再婚して配偶者の苗字を名乗った場合、その配偶者との離婚後には、原則として旧姓に戻せなくなってしまいます。このため、再婚時に苗字を変える際には、旧姓に戻せなくなるかもしれないという覚悟を要することとなります。

③ 旧姓に戻そうと思ったときには、家庭裁判所への申立てが必要となる

 もし、あなたが離婚後しばらく経ってから旧姓に戻そうと考えた場合には、家庭裁判所の手続が必要となってしまいます。多くの場合には旧姓に戻すことが認められますが、稀に認められないケースもありますので、注意が必要となります。

5.離婚後手続をしなければ旧姓に戻る

 さて、以上の記事をお読みいただき、離婚後に婚姻中の氏を名乗り続けようとお考えになった方もいらっしゃるかもしれません。この場合には、離婚後に何らの手続もしなければ、勝手に戸籍上の苗字が旧姓に戻ってしまうことに注意が必要です。

 この点を知らない・理解していない状態ですと、知らぬ間に旧姓に戻ってしまうこととなります。

6.離婚後に苗字をそのままにする手続・方法

 もし離婚後に苗字をそのままにしたい場合には、婚氏続称の届を役所に提出することとなります。この手続は、離婚後3か月以内にしか認められていませんので、ご注意ください。上述のとおり、この手続を取らなかった場合、離婚によって自動的に旧姓に戻ることとなります。

7.離婚3か月後以降に離婚前の姓に戻す方法

 また、婚氏続称の届を離婚後3か月以内に提出しなかった場合には、やはり家庭裁判所の手続を取らなければ婚姻中の苗字を維持することはできませんので、期間制限に注意が必要です。

 この家庭裁判所の手続(氏の変更許可申立て)は、「やむを得ない事由」がなければ婚姻中の苗字への変更が許可されない手続ですので、特段理由なく3か月経過してしまった場合には、婚姻中の氏を名乗ることができなくなる可能性が高いです。3か月経過後の氏の変更許可申立てでお悩みの場合には、一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

8.子供の姓はどうなる?

 ちなみに、子供の姓については、親の苗字と異なる手続を要します。

 離婚後に何も手続を取らないと、子供の姓は婚姻中の苗字のままとなります。子供の苗字を離婚後にご自身の旧姓に戻す場合には、ご自身の苗字を旧姓に戻した上で、家庭裁判所に対し、「子の氏の変更許可申立て」を行う必要があります。

 子の氏の変更許可申立ては、ほとんどの事例で認められることとなりますので、ご安心ください。裁判所の手続が不安でしたら、弁護士にご相談をいただいても良いかもしれません。

9.まとめ

 さて、以上のとおり、離婚後に苗字をそのままにする方の割合と、離婚後に苗字をそのままにすることのメリット・デメリットについてご説明しました。離婚後に苗字を維持する方は、皆さまの想定よりも多かったのではないでしょうか?

 様々な理由・事情から苗字を維持する方もいらっしゃいます。離婚後の苗字についてお悩みの場合には、一度弁護士の助言を受けることもお勧めです。離婚すること・離婚するための準備などと合わせて、ぜひ一度ご相談ください。

 当事務所では、離婚問題に精通した弁護士による丁寧・迅速な対応を重視しております。離婚についてお考え・お悩みの方からのご相談を心よりお待ちしております。

離婚・慰謝料のお悩みに関する相談受付中【初回60分無料】

0120-100-129

電話受付時間 | 24時間対応

※執務時間 平日9:00 - 18:00

平日18:00〜翌9:00及び休祝日での電話でのお問合せにつきましては、受付内容の確認後、担当者より折り返しのご連絡をさせて頂いて予約を確定させることとなります。
東京・神戸・福岡・長崎・熊本・鹿児島を拠点に対応中!

【著者情報】


家事部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:45028)

2007年 慶應義塾大学法学部 卒業

2009年 慶應義塾大学法科大学院法務研究科 修了

2010年に司法試験に合格し、東京都内の法律事務所を経て、2014年より弁護士法人グレイスにて勤務

プロフィールはこちら>>
お問い合わせはこちら