はじめに
離婚と一口にいっても、性別や年齢によって離婚する際に争うことになる点は異なります。そこで、各性別・年齢に分けてご説明いたします。
50代女性の場合には、お子さんも成人して手を離れ、夫婦二人での今後の人生を真剣に考えるようになる中で、亭主関白で家政婦のように扱ってくる夫と添い遂げることに限界を感じて離婚を考える方が多い印象を受けます。そして、50代女性の場合には、離婚後の生活をどうしていくかが最重要課題であり、財産分与が重要な問題となります。
財産分与について
財産分与をするにあたって、まずすべきこととしては、財産分与の対象となる夫婦の共有財産を全て洗い出す事です。
よくある項目としましては、
①不動産
②現金・預貯金
③有価証券
④生命保険金
⑤ゴルフ会員権
⑥退職金
⑦自動車
があります。よくお客様から、「相手名義のものは夫婦共有財産にならないのでは」というご質問をいただきますが、婚姻後に夫婦で築いた財産から支出されていれば、それは財産分与の対象になります。
また、退職金についても、まだ定年になっておらず、支給されていなくとも、将来支払われる蓋然性が高いといえる場合には、財産分与の対象となりますので、ご注意ください。
財産分与の対象になるかどうか、逐一確認していくことで、最終的に相手からもらえるお金はかなり変わってきます。そのため、一度専門家である弁護士にご相談することをお勧めいたします。
年金分割について
50代女性ともなると、年金がいくらもらえるのか、年金について気がかりになると思います。
そこで、ぜひ気に掛けていただきたいのが「年金分割」です。
年金分割とは、離婚等した場合に、婚姻期間中の厚生年金を当事者間で分割することができる制度です。
そのため、誤解されている方も多いのですが、年金分割制度は、国民の基礎年金である「国民年金」に相当する部分や、「厚生年金基金・国民年金基金」等に相当する部分は分割の対象にはなりません。また、婚姻前の期間分も分割の対象にはなりません。
したがって、年金分割制度を利用するメリットのある方は、婚姻期間中に相手方が厚生年金を自分よりも多く支払っていた場合のみとなります。もっとも、逆に言えば、上記場合にはメリットがありますので、ぜひ年金分割制度を利用してください。
年金分割は、自動的に分割されるものではなく、手続きが必要になります。具体的には、厚生年金の手続きを取り扱う役所ないし機関(年金事務所や共済組合等)において「情報通知書」を取得した上で、当事者間での話し合いか、調停、審判、裁判によって分割割合を決める等の手続きが必要になります。また、年金分割請求は離婚等した日の翌日から2年以内に行う必要があるのでご注意ください。自分では手続きを進めていけるか不安だったり、分割割合について合意ができない等の場合には、お気軽に弁護士にご相談ください。

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