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【第16話】妻の出世はモラハラ夫の手柄

小説版

以前「(3)モラハラ夫は心理カウンセラー」のエピソードの中で、私のモラハラ夫は、毎日私が会社から帰宅すると、必ずその日会社で何があったのかを尋ねてくるとご紹介しました。

これは、私がモラハラ夫と婚姻してからの10年間、モラハラ夫と離れるまでの間ずっと継続していました。

このことによって、モラハラ夫が思わぬ勘違いをし始め、終いにはモラハラ夫が今回のタイトルのとおりの思考になってしまったエピソード、そして、私がモラハラ夫に洗脳されていく過程をご紹介させていただきます。

私は、新卒で入社した会社に12年間勤務しました。業種は女性もののアパレル小売業で、職種は接客販売をしていました。

この会社の主力商品は、単価が高かったため、一般的なアパレルの販売職より、営業の色が強く、個人の販売スキルによって店舗の売り上げ実績が大きく変わってくる仕事でした。

私がモラハラ夫と婚姻したのはこの会社に入社して4年目のことでした。

これまで何度もお話ししていますが、モラハラ夫は、会社組織で仕事をしたことがありません。

しかしながら、このモラハラ夫は「自分は心理学を勉強していた(すべて独学)ので、相手の気持ちがすべて理解できること」を売りにしています。

そのため、私が自分の会社でその日何があったのかを話すと、あたかも自分はすべてお見通しのような口ぶりで私に対して様々に切り返してきます。

モラハラ夫の思考がエスカレートしていく様を、是非ともご覧ください。

はじめの頃、モラハラ夫に会社であったことを話すと「そんなことがあったんだね。うんうん、それで、それで」と私の話を聞いたあとに、独学で学んだ心理学を交えて「それはこういうことだから、今度からはこういう接客をした方がいいよ」とアドバイスをしてきました。

当時、頻繁に言われたことは以前別のエピソードでもご紹介していますが

「人間は、”聞く””認める””共感する””理解する”ことをしてあげると良いから、それを接客でも取り入れるといいよ」ということでした。

しかしながら、モラハラ夫が言っていることは、販売の仕事をしていれば、会社からマニュアルが配布され、研修も実施され、現場の上司からも指導されます。

それに加えて私自身もモラハラ夫と婚姻する前から営業や接客の本を読み、自分でも仕事に関しての勉強をして、モラハラ夫が言うことと同様のことを実践していました。

ちなみに、会社での私の営業成績は決して悪くはありませんでした。

けれど、私はモラハラ夫からモラハラを受けたくないためにそんなバックグラウンドは一切伏せて

「わかった!○○君の言うとおりに接客してみるね!」と言ってその日のモラハラ夫との会話を終えるのでした。

そして、その次の日に接客をし、いつものように私自身が確立した接客方法で接客をすると自然と売上ができます。

そして、また帰宅するとその日接客をして売上が出来たことを話します。

私の最大の失敗は、これからお話しする私の行動をしたことだと思います。

この行動によって、モラハラ夫の思考の変化をさらに加速させてしまったのだと思います。

私は、売上が出来た話をすると必ず「○○君のアドバイスを実行したら売上が出来たよ。○○君のおかげだよ。ありがとう」と言っていました。

これを言い始めたのには理由があります。理由は簡単です。

モラハラ夫から、モラハラ夫が私にアドバイスしたことをちゃんと実行したのかと問われたことがあったからです。

私は、モラハラ夫からのモラハラが怖くて「アドバイスを実行したら上手くいった」と回答して、モラハラ夫の機嫌をよくして、モラハラを回避したことがありました。

それ以降、私はモラハラ夫に会社での出来事を話すときは“モラハラ夫の言うとおりにしたら上手くいった”エピソードを交えながら話すようにしていました。

モラハラ夫は次第に私が勤務する店舗の従業員すべてを把握したがるようになりました。

当時私が勤務していた店舗の従業員20名全員の顔と名前を一致させるために、全員の写真をモラハラ夫に見せるようにと指示するようになり、それに加えて全員の血液型をモラハラ夫に教えるようにとの指示もしてきました(モラハラ夫は血液型別性格判断の信仰者でした)。

店舗の従業員全員分の名前と顔と血液型を一致させたモラハラ夫は、それぞれの従業員に対しての接し方も私に指示するようになってきたのです。

例えば「○○さんはA型だからこういう風に接した方がいい」といったような感じです。

私が毎日店舗の従業員と話してきた内容を聞いては、各従業員に対して詳細にモラハラ夫なりの分析を重ねていきます。

そして、私の従業員への接し方に、少しでもモラハラ夫が気に入らないことがあると、私に対してのモラハラが始まることを繰り返すようになってきたのでした。

気が付けば私はモラハラ夫の操り人形のようになっていました。

「誰々に対して、こう言え、ああ言え、こういう行動をとれ」とモラハラ夫に毎日毎日指示をされ、私はほぼ忠実にモラハラ夫から言われたとおり行動していました。

そんなことを繰り返しながらも、私は会社で着実に営業成績を伸ばし、リーダーへと転身し、入社して7年目には副店長へと昇進していました。

副店長になってからも、私の操り人形化は止まりませんでした。

この頃になると、モラハラ夫は私の勤務する店舗のみならず、他店舗の従業員、ひいては部長や社長のことまでも分析するようになっていました。

副店長になって2年経ったある日、完全にモラハラ夫の操り人形と化している私は、店長へと昇進することになりました。

私の勤務していた会社は、全国に50支店ある会社で、毎年新卒で30人程度の女子社員が入社していました。

けれど、新卒で入社して店長になる女子社員はこれまでに2人だけでした。そもそも、この会社では女性が店長になること自体が珍しく、当時も全店50支店中、女性の店長は2人しかいませんでした。

私が店長になることへの打診は、当時の私の直属の上司からありました。

もちろんこの話は、打診があったその日の夜、即座にモラハラ夫に伝えました。

すると、モラハラ夫が私に放った言葉はこうでした。

「俺がお前を店長にしてやったから当然だ。俺が指示したとおりに○○部長に接したからだ。お前一人の力じゃとてもじゃないけどこの会社で店長にはなれない。もともとお前はそんな器の人間じゃないから、それを俺がここまでにしてやった。これからも俺の言うとおりにすれば間違いない。これからも絶対に全部俺の言うとおりにしろよ。それにしても○○部長も取締役かもしれないけど、たいしたことないな。全部俺の思い通りに動いてくれた。」

私が店長になれたのは、私の努力や頑張りの結果ではなくモラハラ夫のおかげだったそうです。

このあと続けざまにモラハラ夫が言ったことは

「次は店長になれたことに○○部長と社長にお礼が必要だ。次の手を考えよう。お礼の文言は俺が考えるから、お前はそのとおりに言えよ。」

この次に私が発言することも行動することも既に決められていました。

この出来事はモラハラ夫と婚姻して既に7年程経った頃のことでした。

私は、自分の意思を持つことが許されず、私の決断や発言をすべてモラハラ夫に支配されていました。

やがて、私自身が、モラハラ夫の言うとおりにすべて行動しなければならない、自分の意思で動くことはすべて悪い方向に進むから、私はこれで良いのだと考えるようになっていました。

私は自分の意思で物事を決断できなくなっていたのです。

モラハラ被害者に頻繁に見受けられる洗脳という状態。私の場合はこうして進んでいったのです。

清武 茶々

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