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【第11話】モラハラ夫のクレーム

小説版

ここ数回、モラハラ夫との旅行に関する話に触れておりますので、今回は、数少ないモラハラ夫と旅行に行った際の、信じられないエピソードをお話しさせていただきます。

それは、ある夏休みの出来事です。

(ちなみに、私の夏休みです。モラハラ夫は自由に休みが取れるので、彼に夏休みはありません。)

また、今回のお話は私に対してのモラハラではなく、私以外の他者に対してのモラハラのお話です。

真夏の炎天下の中、モラハラ夫と私は、特急列車に乗って、西日本の某有名観光地に出かけました。

その観光地は、山も海もあり、山から見下ろす海岸線の砂浜の風景は、なんとも言えない美しさが有名な場所でした。それから、その観光地には、私の大好きな温泉もありました。

以前お話ししましたが、私たち夫婦が旅行に行くには、様々な壁を乗り越えなければなりません。

この旅行先は、モラハラ夫が当時趣味にしていた釣りが出来る場所であったため、モラハラ夫が快諾してくれた場所でした。

事前に旅館を予約して楽しみに出かけました。

(ちなみに、以前もお話ししていますが、旅費のほとんどは私が捻出しております。)

目的地に到着し、昼食をとり、観光を楽しみました。

その後、宿泊先の旅館のチェックイン開始時刻の15時にチェックインしました。

旅館は、古民家風のこぢんまりとしたとても趣のあるものでした。

到着してからのスタッフのおもてなしも素晴らしく、私はすぐにこの旅館を気に入りました。

用意された部屋で、私たち夫婦は少し寛いでいたのですが、私は温泉に入りたく、モラハラ夫は外に散歩に行きたいと言うので、私たち夫婦はそれぞれ別々にやりたいことをすることにしました。

私は、ひとり旅館内の温泉に入りました。温泉もとても気に入りました。

温泉に入ると、私はいつも長湯をしてしまうので、この日も1時間ほど長湯をし、とても良い気分で自分の部屋に戻りました。

すると、部屋ではモラハラ夫が不機嫌そうな態度で待っていました。

けれど、いつもとは違い、私に対して不機嫌であったわけではありません。

モラハラ夫は、この旅館に対して不機嫌であったのです。

モラハラ夫は、私が戻ってくると、私と別行動をしているときに何があったのかを話してきました。

「旅館の従業員に農薬を掛けられた。今から支配人が謝りに来る。」モラハラ夫がそう言ってきました。

モラハラ夫の話をまとめると、モラハラ夫が散歩に出かけようと旅館の玄関を出たところ、旅館の敷地内にある背の高い松の木に、旅館の従業員が機械式の霧吹きで農薬を散布していたそうです。

その時、ミスト状になった農薬がほんの少しモラハラ夫に掛かってしまったというのです。

旅館の従業員はすぐに謝罪をしたそうなのですが、モラハラ夫はどうしても許すことができず、すぐに支配人に連絡をしたそうで、私が部屋に戻ったときは、その支配人が私たちの部屋に謝罪に来る直前だったようです。

                     

しばらくして、支配人が私たちの部屋にやって来ました。年齢が40歳前後の若い印象の男性でした。

支配人は私たちに真摯に謝罪しました。

私としては、反省の色も見えることですし、掛けられた農薬もほんの少しと聞いていたので、許してもよいと思ったのですが、モラハラ夫はそうは行きませんでした。

モラハラ夫は、支配人に対し、決して激高することはなく「自分は農薬を掛けられた、どうしてくれるんだ」と淡々と責め立てました。

それに対して支配人は、モラハラ夫に掛かってしまった農薬のことについて説明をはじめました。

確かに農薬ではあるが、かなり希釈していて人体には無害であるということを。

この発言に対してモラハラ夫は、水を得た魚のごとくこう言いました。

「じゃああなた、人体に無害というなら、その農薬飲めますか?」

支配人は絶句しました。

そして、モラハラ夫はさらに詰め寄り

「どうなんですか?」と尋ねました。

支配人は「の、飲めません」と応えました。

モラハラ夫はさらに続け

「人体に無害と言いながら、自分は飲めない農薬を散布されて、私はどうしたらよいのでしょうか」

支配人に詰め寄り、支配人は最後、こう言いました。

「わかりました。本当に申し訳ございませんでした。今回の宿泊費は無料で構いませんので、お詫びとさせていただきます。」

こうしてモラハラ夫はようやく納得し、支配人は私たちの部屋を去って行きました。

しかも支配人は、農薬を散布されたときにモラハラ夫が着ていた衣服をクリーニングに出すために、モラハラ夫の衣服、下着まですべて抱えて去って行ったのでした。

支配人が部屋を去った途端、モラハラ夫は宿泊代がタダになったことを喜んでいました。

私はなんとも言えない罪悪感に苛まれました。

その後の夕食の席でも、モラハラ夫は、自分が宿泊代をタダにしたことを饒舌に話していました。

夕食の時、私たち夫婦は、別オーダーでお酒を頼んでいました。

私は、せめてこの飲み物代くらいは支払いたいと考えていましたが、翌日の会計時にはそれも不要と言われ、私はさらに申し訳なさでいっぱいになりました。

しかしながら、モラハラ夫はそのことも自分の手柄であると、意気揚々と旅館をあとにするのでした。

このモラハラ夫は、モラハラ夫の称号のみならず、カスハラ夫の称号まで手に入れてしまったのでした。

清武 茶々

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