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【34話】たとえどんなに遠く離れていても

小説版

私は、今回ご紹介するエピソードについて、自分のしたことに一切の後悔もありません。

これからご紹介するのは、私の人生を大きく動かした行動であることに間違いありません。

ご紹介させていただきます。

それは、絶望モラハラが始まってから3ヶ月ほど経った頃、季節はすっかり冬を迎えていました。

モラハラ夫からの絶望モラハラは相変わらずで、私たち夫婦はお互い生きることに疲弊していました。

そして、ある休みの日、私の長い長い髪の毛が、腰の位置を超え、お尻の位置まで伸びきっていたため、約1年ぶりに美容室に行くことになりました。

美容室の予約時間は午後からでしたが、その頃の私は、休みの日にモラハラ夫と1分でも長く一緒にいたくなかったため、モラハラ夫には、午前から予約を取ったと、嘘の予約時間を伝えていました。
また、美容室の滞在時間も、本来であれば2時間程度なのですが、モラハラ夫に対しては4時間かかると嘘の滞在時間を伝えていました。

そうして、私は久しぶりに一人で過ごす休みの日を確保することができたのです。

私は、久しぶりの一人の時間を楽しむべく、その日は午前中から美容室のある繁華街へと出掛けていきました。

まずは一人ランチを楽しむべく、お気に入りのお店に入りました。
一人でお店の席に着くと、何とも言えない伸び伸びとした気持ちになりました。束の間の開放感でした。

席についてしばらくして、ちょうど食事をはじめた時でした。
私の携帯電話のバイブレーションが鳴ったのです。それは、メールが届いた時の短いバイブ音でした。それも1回ではなく、2回、3回と鳴りました。つまり2、3通のメールが届いているということです。

私は、メールを送ってきた相手が誰なのかすぐに分かりました。
メールを開くと案の定、それは、モラハラ夫からのモラハラメールでした。

「こんなに俺が苦しいのに、お前は美容室とか良い身分だな。結局お前は俺の苦しみを何一つ理解してくれないんだよな。お前は俺の嫌がることしかしないし、俺たち夫婦が不幸になることしかしない。」

こんな内容を、モラハラ夫の常套手段である表現を変えて、何通にも分けて送ってきていました。

しかしながら、メールが届いた時間は、私がモラハラ夫に伝えていた嘘の美容室での施術時間であったため、そのメールに対して返信することはできませんでした。

さっきまであんなに伸び伸びとしていた私の気持ちは一気に落ち込み、大好きなお店のランチもちっとも美味しくありませんでした。
ところが、その時のモラハラ夫からのメールは、はじめに届いた2、3通でピタッと止まってしまったのです。

その時の私は「モラハラ夫は、私が久しぶりに美容室に行く日くらいは、モラハラを控えておこうという気持ちになったに違いない」と、半ば楽観的な考え方をして、モラハラ夫からのメールがピタッと止まった理由にしていました。

しかしながら、それは間違いなく、嵐の前の静けさだったのです。

また、そうこうしている内に、嘘ではない本当の美容室の予約時間になったため、私はようやく美容室へと向かいました。

そして、美容室では約2時間の施術を受けました。施術中は携帯電話を美容室に預けていたので、携帯電話のバイブレーションが鳴ることによるストレスを感じることはありませんでした。

美容室を出て、バッグから携帯電話を取り出した私は、目の前の携帯電話の画面に驚愕しました。

携帯電話の画面のメールのアイコンに表示されている未読メールの数字が「53」と表示されていたのです。

ちなみに、私は性格的に未読メールの表示は残しておきたくないため、この「53」という数字は、私が美容室で施術を受けている2時間のあいだに届いたメールの数でした。

それは、これまでに見たことのない数字でした。そして、それは間違いなく、モラハラ夫からのモラハラメールでした。

メールを開くことはもちろんのこと、このまま家に帰ることも恐怖でしかありませんでした。

それでも、メールを開かないことにはどうしようもなかったので、私は、そのおびただしい数のメールを1通ずつ開きはじめました。

メールを開いて間もなくして、私の目には涙が溢れてきていました。

あり得ないくらいの暴言の数々が、1通1通に記されていたのです。

私は、その場で立っていられなくなっていました。都会のど真ん中の繁華街で、膝から崩れ落ち涙を流していました。

そして、私はついに、前回のエピソードでは躊躇した、母の携帯電話の番号へ発信ボタンを押したのです。

それは、紛れもなく母へ助けを求めるための電話でした。

けれど、コールはしたものの、その時、母への電話は繋がりませんでした。

そうこうしている間にも、次から次へとモラハラ夫からのモラハラメールが届きます。

私は、ようやくモラハラ夫からのメールに対して返信を始めました。私はとにかく自分の愚かさを謝罪し、モラハラ夫がいかに正しいのかを返信し続けました。しかしながら、それは火に油を注ぐような行為で、私の謝罪メールは一蹴され、私の返信に対しても次から次へとモラハラメールが届きました。

私は、帰りの電車に乗るための駅に向かうことすらできませんでした。

その場でどれくらいの時間が経ったのでしょうか。辺りは夕方、だいぶ暗くなっていました。

私がモラハラ夫のモラハラメールを対処していると、私の携帯電話に着信が入ったのです。

母でした。

その時、私はふと我に返り、この電話に出てしまうと、モラハラ夫との婚姻関係が壊れると考えてしまい、その着信を無視したのです。

ところが、母はその後も何度も何度も、数分おきに私に電話をかけてきました。

さすがに観念した私は、意を決して母の電話に出たのです。
その時の私は相当な涙声でした。

電話口の母の第一声はこうでした。

「なにかあったんでしょう?!」

その後、こうも続けました。

「今日のこの電話は絶対に出ないといけないと思った。胸騒ぎがしたの。どうしたの。何か大変なことがあったんでしょう?!」

私にとって、それは救いの声でした。

その一方で、この電話により、私たち夫婦が離ればなれになることが決定したことを意味しました。

以前、どこかで聞いたことがあります。

親は、子の異変を、どれだけ遠く離れていても察知することができる。

親子の縁には不思議な力があると。

この続きは、また次回、ご紹介させていただきます。

清武 茶々

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