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【9話】最悪な誕生日 ~眠りは人生の無駄~

小説版

モラハラ小説

皆さんは、ご自身の仕事が休みの日はどんなに風に一日を過ごしていますか。

私は独身時代から、仕事が休みの日はお昼まで寝て、起きた後は自分のしたいことをする、という過ごし方が大好きでした。

休みの日は仕事の疲れがどっと出てしまいますので、皆さんの中にも少なからずそういった過ごし方が好きだという方もいらっしゃるかと思います。

私とモラハラ夫との間には子どもがいませんでしたので、休みの日は自分たちのしたいことができました。

私はモラハラ夫と婚姻してからも、独身時代と同様の休みの過ごし方を望んでいました。

しかしながら、これまでのお話しの中で、私は自分が仕事の休みの日は、自分が眠いのを我慢して、頑張ってモラハラ夫に付き合っていた、ということをしばしばお伝えしたかと思います。

繰り返しになりますが、モラハラ夫は、モラハラ夫自身の仕事での疲れをほとんど感じることのない人でした。

(※要参照「(6)妻が病気になったなら~ある日の体調不良~」「(8)さよなら、妻のともだち」

そのため、私がどんなに仕事で疲れていようが、休みの日に昼過ぎまで寝ていることは許されませんでした。

ここで一般論としてのモラハラ夫の特徴をお話しすると、モラハラ夫は他人に共感する能力が著しく乏しいです。

相手に対しても自分と同じ考えを強要し、それに反論されると嫌がります。

妻の病気や疲れ、悩みに対しても全く共感することが出来ません。

話を本題に戻します。

モラハラ夫は、休みの日に昼まで寝ていること、休みの日に睡眠で時間を取られることは、人生の無駄だという考え方を持っていました。

その考え方が如実に表れたのは、モラハラ夫と婚姻して最初の私の誕生日のことでした。

誕生日当日、私は休みを取っていました。

けれど、前日はいつもどおり仕事をしていたため、誕生日の朝であろうと昼まで寝ていようとしていました。

誕生日の当日も、特に予定はなかったので、問題ないだろうと考えていました。

ちなみにモラハラ夫と私の誕生日を過ごすのは、この時が初めてでした。

誕生日の朝7時、私はモラハラ夫に起こされました。

「誕生日の朝くらい早く起きよう」

私はすぐに起きることができませんでしたので、こう言いました。

「あと1時間寝かせて。1時間後に起きるから」1時間後の8時には起きようと考えておりました。

私も、せっかくの誕生日ですので、いつもの休みよりは早く起きて過ごした方が良いなと考えていたからです。

ですが、私がモラハラ夫に放ってしまった「あと1時間寝たい」という発言は間違いだったようです。

皆さんお気づきでしょうが、途端にいつものモラハラモードに入りました。

モラハラ夫は「誕生日の日まで遅くまで寝ていたいなんて、お前は人生を無駄にしている。残念な人だ」

途端に一年に一度の誕生日が、最悪な一日へと化してしまったのです。

私はモラハラ夫から、

「俺はお前をサプライズで○○(とある有名な観光地)に連れて行くつもりだった。

だけど、お前が1時間寝ることによってそこに向かう特急列車を逃してしまった。何もかも寝ることを優先するお前が悪い」ということを言われてしまいました。

モラハラ夫が連れ出そうとした有名観光地は、私たちが当時住んでいた場所の最寄りのターミナル駅から特急電車で1時間半程度かかりました。

有名な観光地ですので、列車はターミナル駅から頻繁に発着していましたが、モラハラ夫からすれば、モラハラ夫が立てていた計画がズレてしまったため、そのあとの電車に乗るなんてとても考えられなかったようです。

私は、自分を取り繕って「1時間寝ることはやめた、今すぐ起きて○○君の言うとおりの誕生日を過ごす」と言いましたが、モラハラモードに突入したモラハラ夫には、私が何を言っても無駄でした。

結局、私の誕生日は、モラハラ夫の説教を一日中聞く日になりました。

このあとも、モラハラ夫との婚姻の10年間、私の「眠り」について何度も何度もモラハラを受けました。

例えば、モラハラ夫と移動中の電車内で、私がウトウトしていると激怒されることがしばしばありました。そのため、モラハラ夫と移動中の電車内で寝ることを禁止されてしまうという出来事がありました。

モラハラ夫と婚姻中、私が疲れた身体を休める場所は、ほとんどありませんでした。

そして私は、モラハラ夫との婚姻期間が経過するにつれて、周囲の人から「やつれたね」と言われることが多くなってきたのです。

清武 茶々

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