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【第20話】モラハラ夫の趣味 『後編』~釣り具バカ日誌~

小説版

今回もモラハラ夫の趣味についてご紹介させていただきます。

婚姻期間後半のモラハラ夫の趣味は釣りでした。

皆さんの認識としては、前回ご紹介した植物栽培の趣味がリセットされた後に、釣りに趣味が移行したと思われるかもしれませんが、釣りの趣味と植物栽培の趣味は重なっている時期が2年ほどありました。

モラハラ夫は道具も何もないゼロから釣りの趣味をスタートさせたので、私は植物栽培の趣味の時と同様に、モラハラ夫に沢山の釣り具を買い与えました。

モラハラ夫が釣りを趣味にした理由は、モラハラ夫曰く、小中学生時代、休みの日に友達と連れだって近所の川に釣りに出かけていたことを思い出し、私と休みの日に釣りに行きたいと考えるようになったためだそうです。

しかしながら、当時、私達夫婦が住んでいた地域は、釣り場と呼べる川に出るのも海に出るのも、決して気軽に行ける場所ではなく、モラハラ夫が言うように、休みの日に頻繁に釣りに出かけられるわけではありませんでした。

けれど、モラハラ夫が釣りを趣味にしてから、釣り関連のことで私の休みの日や、私の仕事が終わった後に出かけることが増えたのは事実です。

その理由は、今回のタイトルのとおりです。モラハラ夫は釣り具バカでした。

私達夫婦は釣り場ではなく、釣具屋に頻繁に出かけて、それはそれは多くの釣り具を買い揃えていたのです。

モラハラ夫が買い揃える釣り具は、サビキ釣り、チヌ釣り、イカ釣り、シーバス釣り等の様々なジャンルの竿やルアー、その他の器具など幅広いものでした。

結局、何釣りをするのか、何釣りが好きかが定まっていないため、釣具屋に行くたびに「これが欲しい、あれが欲しい、この釣り具がいい」という話になります。

そして、皆さん大方の予想が付くと思いますが、モラハラ夫が欲しい釣り具はすべて、モラハラ夫からのモラハラが怖かったり、モラハラ夫からのモラハラを受けた後、モラハラ夫に「許してあげるから」と言われた私が買い与えるのです。

その額は、前回の植物栽培と同様か、それ以上になります。

そんな、釣具屋巡りばかりして、1年ほどが経ったある日、ようやく初めて二人で釣りに出かけることになったのです。

それは突然やってきました。

いつものように私が20時過ぎに仕事から帰宅した初夏の夜のことでした。

私は翌日の仕事が休みでした。

モラハラ夫が私に対して「おい!今から釣りに行くから、風呂に入って準備しろ」そう言ってきたのです。

この突然のモラハラ夫からの誘い、本音を言えば仕事で疲れていたため、まったく気分は乗りませんでした。けれど、これを断わってしまうと、強烈なモラハラが繰り出されることが安易に予想できたので、私は夜中からモラハラ夫との釣りに出かけることにしたのです。

その日の23時、レンタカーを借りて滅多にハンドルを握らないモラハラ夫の運転で向かった先は、私達夫婦の自宅から車で下道を使って4時間かかる、隣県の釣り場として有名な港町でした。

モラハラ夫は、道中とても楽しそうに、私に対して「○○、仕事で疲れてるだろうから車で寝ていいよ」と声をかけてくれました。

途中、食事をとり、朝まで開店している釣具屋に餌を買いに行き、釣り場に到着した頃は、すでに明け方の5時前になっていました。

その間、私は、モラハラ夫の釣りに対しての熱い思いを延々と聞かされ続けていたので一睡もすることが出来ませんでした。

釣り場に到着して私達はサビキ釣りを始めました。

私にとっては初めての釣りでした。

魚が何匹も食付いてくる感触を肌で感じることができ、サビキ釣りは純粋にとても面白かったです。

面白いのもつかの間、仕事から帰って一睡もしていないため、徐々に私の体力がなくなってきました。

恐らく、モラハラ夫は在宅での自分の仕事が終わった後寝ていたのだと思います。モラハラ夫は私とは裏腹に非常に元気でした。

私は次第に、腰掛けている釣り場でもウトウトし始めていました。

それでも自分の目を見開き、なんとか起き続けていました。寝てしまうとモラハラ夫からの壮絶なモラハラを繰り出されてしまうことが予想され、怖かったのです。

私は寝ないように寝ないようにと自分の意識を覚醒させることに集中していました。

そして、正午すぎ、モラハラ夫も十分釣りを楽しんだため、釣りを終えることになりました。

その後、モラハラ夫と、地元の有名な漁師料理を出すお店で食事を摂り、ようやく港町を出発することになったのが14時過ぎでした。

私はもう1日以上寝ていません。そして、モラハラ夫にも疲れが見えてきました。帰り道は、まるで地獄のようでした。

私が車中でウトウトすると、モラハラ夫が激高するのです。

「お前は俺に運転させて、自分ばかり寝て、楽をしようとして自分ばっかりずるい。俺だって疲れてるんだ。お前は全然優しくない女だな。」

そう言って、私を決して寝かせることはしませんでした。

そして、ようやく自宅に着いたのが18時でした。

しかしながら、モラハラ夫の私へのモラハラは止まらず、自宅に着いてからも私は疲れた身体を休ませることも出来ず、そのあと2時間延々とモラハラを受け続け、モラハラ夫自身が疲れたため、ようやく休むことができたのが20時過ぎでした。ちょうど私が会社から帰宅して丸一日が経っていました。

その後の数年でモラハラ夫と釣りに出かけたのは2回ほどでした。

釣具屋には相変わらず通い続け、自宅には釣り具ばかりが増えていましたが、私としては、釣り具で満足してくれればそれでいいと考えていました。

私にとって釣りは、不眠とモラハラの辛い思い出しか残っていないからです。

清武 茶々

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