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【第21話】妻の居場所を知る方法

小説版

一般的にモラハラ加害者は、パートナーに対しての束縛が強いことが特徴として挙げられます。

これは、私のモラハラ夫も例外ではないことを、これまでのお話しでご理解いただいているかと思います。

今回は、モラハラ夫の束縛がエスカレートしてしまい、私がモラハラ夫から、ある装置を身に付けさせられたお話しをご紹介させていただきます。

モラハラ夫は、私と交際当初から婚姻後の数年間、携帯電話を持っていませんでした。

にもかかわらず、婚姻当初、モラハラ夫は毎日のように私が帰宅する頃を見計らい、最寄り駅で私が仕事から帰宅するのを待っていました。

私も、はじめの頃は、モラハラ夫が私のことを待ってくれていることで夫から愛されていると感じ、とても嬉しかったものでした。

けれど、そんな初々しい気持ちもそう長くは続きませんでした。

私の当時の仕事は、以前もご紹介していますがアパレル関係の仕事でした。

それも少々高額な単価の商品を扱っていたので、1組のお客様にかける時間が、一般的なそれと大きく異なり、おおよそ2~3時間程度になります。1組のお客様に対して1人の販売員が付きっきりで接客をするというスタイルで、接客は順番制でした。

仕事の定時は閉店時間と同じ18時30分で、残業することなく定時で帰宅すると、19時半から20時くらいには帰宅することができます。

しかしながら、閉店間際にお客様が入店すると、そのまま通常通りの接客をするので、閉店間際の接客に付くことになると、接客が終了するのが21時頃になります。

私は、この時間帯のお客様に付くことが恐ろしくて恐ろしくてしょうがありませんでした。

また、定時よりも少しばかり遅い帰宅になりそうな時も、同様に恐ろしくてしょうがありませんでした。

どちらのケースも、モラハラ夫を駅でひたすら待たせてしまうことになってしまいます。

しかも、モラハラ夫は携帯電話を持っていません。帰りが遅くなることの連絡をすることもできません。

これらの日はモラハラされることが確定します。

私としては、こちらから頼んでもいないのに自分から勝手に待っているのにもかかわらず、それを待たされたと言ってモラハラをしてくることが全く理解できません。

例えば、帰宅時間が22時前になってしまったときは「本当に仕事で遅くなったのか」と疑いという名のモラハラが始まります。

また、ある日のことです。私の仕事帰りに、モラハラ夫と私の職場の近くで食事をして帰る予定を入れていたことがありました。

けれど、運が悪いことに終了間際の接客につくことになってしまい、モラハラ夫との待ち合わせ場所に予定通り行くことができない事態が発生してしまいました。

その頃、すでに社内では、私の夫は束縛が激しいと、同僚からも認識されていました。

そのため、私は当時の私の上司(男性)に、何かに怯えたような、何とも言えない表情で「夫が会社の下で待っています。待ち合わせに遅れたらどうなるかわかりません」と、その接客に入る直前に駆け寄りました。

すると上司は「連絡したらいいじゃないか」と答えます。当たり前の回答です。

待ち合わせに遅れる、行けないのであれば、普通は携帯で連絡を取り合います。

けれど、モラハラ夫は携帯電話を持っていません。私は上司に「夫は携帯持っていないんです」と泣きそうな表情で言いました。

上司は「それなら、下に行って話してきなさい」と言って、私をモラハラ夫との待ち合わせ場所に行くようにと促してくれました。

その日のモラハラ夫は、私がそこまでして自分に連絡をしに来てくれたと喜び、モラハラを繰り出すことなく事なきを得ることが出来ました。

きっと、モラハラ夫は私の行動をモラハラ夫中心に支配できたことに喜びを感じたのでしょう。

そんな、綱渡りの日々が数年続いた頃、モラハラ夫が、私の帰りを把握するための何とも言えない画期的な提案をしてきたのです。

その画期的な提案とは、トランシーバーでした。

私は、モラハラ夫にトランシーバーを持たされたのです。

おさらいさせていただきます。

モラハラ夫は、メイドカフェや秋葉原のような電気街が好きです。

そういった電気街には、必ずと言っていいほど、トランシーバー屋さんがあります。

私は、モラハラ夫と電気街に行くと、必ずと言っていいほどトランシーバー屋さんに連れて行かれていました。

モラハラ夫は、トランシーバー屋さんに入るといつも目がキラキラしていました。

満を持して、モラハラ夫は大好きなトランシーバーを持つことにしたのです。

因みに私は、トランシーバーには全く興味がありませんでした。

モラハラ夫が私に持たせることに決めたトランシーバーは、かなりのハイスペックでした。

いわゆる長距離トランシーバーでした。

そのため、値段もかなり高かったのですが、モラハラ夫は「これは、○○の安全のために買うんだから生き金だよ」と言い、このトランシーバーは私が全額負担しました。

たしかに、このトランシーバーはすごかったです。

私が帰宅する電車の中で、最寄り駅の1駅前になると、私はモラハラ夫と通信ができるのです。距離にして3㎞ほど離れた者同士が会話できました。

モラハラ夫は、この通信ができるようになってからは、私を駅で待つことはなくなりました。

大好きなトランシーバーで、長距離の通信ができるようになり、この通信中に限り、モラハラ夫はご機嫌でした。

私はと言うと、トランシーバーが嫌でたまりませんでした。

なぜかというと、ダサいのです。

以前、ご紹介していますが、私はモラハラ夫の言いなりで、見た目がすべてコントロールされていました。

服装は黒づくめ、髪型は黒髪ワンレンのスーパーロングヘアの海外ドラマに出てくる女テロリストの風貌で、スポーツタイプのリュックを背負っています。

そこに、リュックの外側ポケットからトランシーバーのマイクの線がぐるぐると出ていて、リュックのショルダーストラップにトランシーバーのマイクが取り付けられています。

想像しただけでダサいと思いませんか。

私はモラハラ夫から、トランシーバーを装着するのは、職場の退社時に制服から私服に着替えたと同時にするようにと言いつけられていました。

この風貌の女性が公共交通機関に乗っています。ダサいだけでなく、怪しいです。

それでも、私はモラハラ夫の言いつけを守り、この風貌をモラハラ夫と離れるときまでし続けたのでした。

ちなみにこの数年後、モラハラ夫は携帯電話を持つことになり、私は、携帯電話とトランシーバーの両方から居場所を特定されるようになったのでした。

清武 茶々

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