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【第28話】引き返したその先は

小説版

私の隠れた買い物によって加速度を増したモラハラ夫のモラハラは、完全に制御不能になってしまい、とどまることを知りませんでした。

今回は、私の出張中に起こった出来事をご紹介させていただきます。

その頃のモラハラ夫は、私が仕事中であろうがお構いなしに、昼夜を問わず、モラハラメールを送り続けてきていました。

その日、私は1泊2日で出張に行っておりました。出張先は、私の最寄りのターミナル駅から、新幹線で1時間程度の地方都市の店舗でした。

出張の際は、会社が往復の新幹線を手配し、宿泊先のホテルも予約してくれています。私は、モラハラ夫と離れて過ごせる出張を楽しみにしていました。

けれど、モラハラ夫は、私が新幹線で移動している時や、出張先の店舗で接客をしている最中も、ひっきりなしにモラハラメールを送ってきていました。

当時のモラハラ夫からのモラハラメールの内容は「社員に無理矢理商品を購入させて、売上の補填をさせるような会社のために働くなんて、お前は頭がおかしい」というものでした。これを言葉や言い回しを変えてひたすら送り続けてきていたのです。

そして、私も私なのですが、仕事中にもかかわらず、私がモラハラ夫に返信しないことに対してのモラハラが怖いため、モラハラ夫からのメールには間髪入れず、どんどん返信をしておりました。

私の返信する内容は「そうだよね。○○君の言うとおりだよね。ごめんなさい。私が全部悪いんだよ」ということを、言葉や言い回しを変えてひたすら送り続けていました。

このやり取りで、モラハラ夫のモラハラが収まることはありませんでした。それどころか、かえって、モラハラ夫がつけあがり、モラハラを加速させるという悪循環になっていたのです。

つけあがったモラハラ夫は、私が仕事を終えて、宿泊先のホテルに向かおうとしている途中でこんな連絡をしてきました。

「お前、俺を今夜一人にするのか。お前は悠々自適にホテルに泊まって、会社の人間と飲みに行くんだろ。最低だな」といった内容でした。

確かに、モラハラ夫の言うとおり、私はその日、別の支店から出張に来ていた会社の同僚と飲みに行く約束をしており、冒頭でもお話ししていますが、気持ち的にもモラハラ夫から離れて、一人で夜を過ごすことを楽しみにしていました。

しかしながら、モラハラ夫がこう言い出してしまったら、私がその日、同僚と飲みに行くことも、ホテルで一人休むことも許されなくなってしまいました。

モラハラ夫から私はこう言われたのです。

「お前、帰ってこれるだろ。今日、このまま帰ってこい。そして、明日の始発の新幹線でまたそこに行けばいい。だから、帰ってこい。帰って俺に飯を作れ。」

私は、会社が手配してくれていたホテルにキャンセルの連絡を入れ、その日、飲みに行くことを約束していた同僚に「体調が悪いから、早めにホテルに戻って休む」と嘘をついて、そのまま駅へと向かい新幹線に乗り込んだのです。

私が引き返したその先に待ち構えていたのは、苦しいモラハラ地獄でした。

自宅に帰り着いたのは夜の9時過ぎでした。

私が自宅に着いて早々、モラハラ夫は私に「腹が減った。グラタンが食べたいからグラタンを作れ」と言いました。

皆様、お気づきでしょうが、私は、まるでモラハラ夫の奴隷です。私は、ヘトヘトでしたが、モラハラ夫からのモラハラがグラタンを作ることで回避できるのならと、夜の9時過ぎからグラタンを作り始めたのです。

料理をする方ならお分かりでしょうが、グラタンは調理に時間が掛かります。なんとか急いで作ってグラタンが出来上がったのは、夜10時半近くになっていました。

そして、モラハラを回避したいと考えて作ったグラタンでしたが、モラハラを回避することはできませんでした。

モラハラ夫はグラタンを食べながらも、延々と私にモラハラをしてきたのです。

私は、いつものように「ごめんなさい。私が全部悪い。○○君に黙って買い物をした私が悪い」と、まるでオウムのように繰り返していました。

すると、モラハラ夫が、はじめに焼き上げたグラタンを食べきり、もう1皿グラタンを食べたいと言ってきたのです。

私は、おかわりのグラタンをグラタン皿に盛り付けました。そのとき、私は、なにを思ったのか、グラタン皿からあふれるほどのグラタンを盛り付けて、オーブンへと入れたのです。

案の定、焼き上がると、グラタンはグラタン皿からあふれて、オーブンから取り出せない状態になっていました。

私は、熱々のグラタン皿をオーブンからやっとの思いで取り出し、モラハラ夫の目の前へと運びました。

すると、グラタンがあふれたグラタン皿を見るやいなや、モラハラ夫は私に対して「お前、なんだよこれ!めちゃくちゃこぼれて汚いじゃないか」と叫んだのです。

気がつけば、私は、モラハラ夫のモラハラの引き金を引くことばかりしていました。

いつもであれば、すぐに謝っていたのですが、その時は、本当に疲れていたのです。私はヘトヘトの身体を振り絞り、モラハラ夫にひとことだけ、静かに、絶望に満ちた言葉を発しました。

「もう、いいんじゃない。」

この言葉がモラハラ夫の逆鱗に触れてしまいました。モラハラ夫は、私に対してグラタンを投げつけ、残ったグラタンとグラタン皿をリビングへとまき散らしたのです。

自宅のリビングは一瞬にしてグラタン地獄になりました。そして、私の着ていた服もグラタンまみれになりました。そして、何よりも熱々のグラタンでしたので、火傷しそうに熱く、私はその場で「熱い、熱い」と泣きながら、着ている服を脱いだのです。

私が上下の下着1枚だけの姿になると、モラハラ夫が「お前、そのままの格好で掃除しろ」と言ってきたのです。

更に「部屋が綺麗になるまで寝るな」とまで言い放ち、私はそのまま、下着姿のままで、床に這いつくばり、泣きながらリビングの床に散らばっているグラタンを拭き取ったのです。

それは、とてつもない屈辱でした。私がそんな姿になっているにもかかわらず、モラハラ夫のモラハラは止ませんでした。

ようやく掃除が終わったのは、午前3時になっていました。

私は、その後風呂に入り、ほとんど寝ることもなく、始発の新幹線に乗り、出張先の店舗へと出勤し、同僚には、さもホテルから出勤したように装ったのです。

そして、その日も相変わらずモラハラ夫からのモラハラメールに対応しながら、私は必死に作り笑顔の接客をして、その日の出張を乗り切ったのです。

清武 茶々

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