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【第30話】止まらない操り人形化

小説版

ここ数回のエピソードでもご紹介しているとおり、徐々に制御不能になってきたモラハラ夫ですが、毎日のモラハラがエスカレートしていったことはもちろんのこと、ついにモラハラ夫の身体にも異変が現れるようになりました。

ある日のこと、モラハラ夫が私に対して腹痛を訴えてきました。

その腹痛を言葉で表現するならば、今までに感じたことのない、臓器の奥から感じるような鈍い痛みというものでした。

私と婚姻してからのモラハラ夫は、非常に健康で、風邪をひくこともほとんどありませんでした。

理由は、以前もご紹介しておりますが、モラハラ夫が病気になると非常にタチが悪くなるため、私が徹底して病気にならないような食事を作るように心がけていたためでした。

そのため、モラハラ夫の体調不良は久しぶりのことでした。

モラハラ夫が腹痛を訴えてしばらくは、様子をみてみることにしましたが、数日経っても痛みが一向になくならなかったため、結局病院に行くことにしました。

ちなみに病院はモラハラ夫が自分自身で選びました。

モラハラ夫は自分の腹痛の症状をインターネットで検索し、どこの病院が良いのかをとことん調べ上げたのです。そして、モラハラ夫が見つけたのは、私たち夫婦の住んでいる場所から電車で1時間程度離れた、常に患者さんで混み合っている、地元では有名な専門病院でした。

検査と治療は数日間に及びました。腹痛の原因を追求するため様々な検査をしたのです。

しかしながら、それだけ沢山の検査をしたにも関わらずモラハラ夫の病名はわかりませんでした。

病名がはっきりとしなかったため、腹痛の原因として告げられたのは「ストレス」でした。

そして、皆様の大方の予想通り、モラハラ夫はストレスの原因を「私」にしてきました。

私が会社で地方都市の店長になったために、売上の補填のために、買わなくても良い商品を買わされた結果、それがモラハラ夫にとってのストレスになった、そして、そんなことをしてきた当の「私」が最大のストレスになったと言うようになりました。

それからというもの、モラハラ夫の病気を治すためとの名目で、まずは私を店長から引きずり下ろし、この地方都市から元々私たち夫婦が住んでいた都市へ戻るため、モラハラ夫の画策が始まりました。

以前もご紹介していますが、私は当時、自分の意思で物事を判断するとすべてが悪い方向へ進んでしまうから、物事の決断はモラハラ夫に委ねたほうが良いという考え方になっていました。

そのため、会社とのやりとり、自分の店舗の社員とのやり取りのすべてにモラハラ夫の意思が組み込まれ、それは、モラハラ夫が体調を崩したことによって加速度を増していったのです。

私はモラハラ夫から一冊のノートを渡されました。

そのノートは、モラハラ夫からの指示を私が書き記していくもので、まるでドラマや映画の脚本のようでした。

私が会社で一言一句、どういう言い回しで、どういう言葉を使うべきなのかをモラハラ夫から口頭で指示されて、それを私がすべて書き取っていくノートでした。

それ以降、私は毎日毎日その日に会社であった出来事を、モラハラ夫に詳細に何をどう言ったかまでを報告し、次の日私が会社で何を言うのかという夫婦会議が持たれることとなりました。

けれど、モラハラ夫の指示は非常に細かく、一言一句モラハラ夫が言うとおりに私が社員とやり取りをすることは不可能でした。

また、モラハラ夫の指示は、本来の私であれば絶対に言わないであろう言葉や、言いたくない言葉が数多くあり、モラハラ夫に嘘の報告をすることもしばしばありました。この点は、私に唯一残っていた、私の意思、自我だったのかもしれません。

しかしながら、そんな嘘の報告も、そう上手くはいかず、つじつまが合わなくなってしまい、壮絶なモラハラを受けるということもよくありました。

そして、この夫婦会議の最中、私はモラハラ夫と婚姻してはじめてモラハラ夫から暴力を受けました。

私が、モラハラ夫の指示通りの言葉を使わなかったことに対して「お前はなんで俺の言うとおりにしないんだよ!」と激高しながら私に手をあげたのです。

それまでモラハラしかしてこなかったモラハラ夫が、ついに手をあげるようになったのです。

そのときは、大きな青あざが腕と足にでき、腕は折れてしまうのではないかと思うほどの強い痛みを感じました。

そのあとも別の日に2、3回、モラハラ夫は私に手をあげました。

私は、モラハラ夫から暴力を振るわれても、どれだけ壮絶な暴言を吐かれても、すべてはモラハラ夫の言うとおりにしない私が悪いのだと心の底から思い込み、自分の愚かさを常に反省し悔いていました。

いつしか脚本ノートは、私の愚かさを吐露する反省ノートにもなっており、私は、毎日のように反省文を書かされ続けていました。

私の操り人形化はとどまるところを知りませんでした。

清武 茶々

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